Hi-Cと言えばこれらの論文が有名です。
- Hi-C: Lieberman-Aiden E. et al. (2009) Comprehensive mapping of long-range interactions reveals folding principles of the human genome. Science 326: 289-293
- 3-C: Duan Z. et al. (2012) A genome-wide 3C-method for characterizing the three-dimensional architectures of genomes. Methods 58: 277-288
結構前からあるテクノロジーなんですね。
元々は染色体の構造、3次元での構造を解析する技術です。
それをゲノムアセンブリに応用したのが、Chicagoであり、Dovetail Hi-Cであったわけですが、もともとの構造解析という使い方を応用して、「ヒトゲノム構造解析」というのも可能なわけです。
Dovetailのヒトゲノム構造解析サービスは、アメリカではすでに行われています。
この資料はここからダウンロードできます。
実験の原理は、ゲノムアセンブリに使うHi-Cと同じです。
最初のサンプルが血液、細胞、またはFFPEサンプルになります。
ちなみに血液なら2mL 、細胞の場合10の7乗個程度、FFPEは厚さ10μmのスライス、組織の場合は1平方㎝ x 20μmが必要量らしいです。
そこからHi-Cライブラリを作製し、HiSeqを使って2x150PEで150M本読む。
そしてヒトゲノム参照配列にマッピングし、距離の分布図を作る。
染色体レベルの転座や大きな欠損変異などを検出する。
→解析のソフトウェアは、Selvaというものを用いる。
検出できる変異の大きさは、50kb以上です。それ以下だと感度が下がるそうです。
つまり、PacBioとは競合しない!!
PacBioは50bp~50kbくらいまでのInDel検出が得意だけれども、50kb以上の巨大な変異はリードが届かないので検出できない。
Hi-Cは連続配列では無くリードペアで変異を検出するので、あまり小さい変異検出だとノイズと差がはっきりしない。そのかわり、染色体レベルの構造変異検出には強い!
論文もbioRxivですが投稿されていますので、アルゴリズムに興味のあるひとはどうぞ。
検出感度でいうと、FISHと比べてもひけをとらず、例えば12個のがんのFFPEサンプル(20~90%の割合)をHi-C+Selvaで解析し、FISHで検出できた変異とどれくらい合っていたか、を比較したデータがあります。
ほとんどはFISHの結果と正しく、またサンプル#1や#6は、FISHの方が間違っていたそうです。がん細胞の割合が20%のとき、50kb以上の大きさの構造変異の検出感度は67%です。100%がん細胞のときは検出感度90%だそうです。
そしてこのFFPEからのHi-C、というサービスを行っている会社はほかに無いらしく、Fix-Cという商標をつけています。
FFPEはもともとDNAがフラグメント化しているから、ロングリードには向かないんですよね。
最後に、これは「まだ」受託サービスのみ、の商品なんです。
つまりサンプルをアメリカに送らなければいけない。
アメリカ国内のサンプルなら国内移動で問題無いので結構売れているらしいです
キットやソフトウェアの配布は、今のところ、予定はありません。
そういうニーズが世界的に増えて、キット&ソフトウェアの配布が可能になればもっと世界に広がる技術だと思うのですが。
とりあえず、海外へ送ってもいいサンプルで、この変異解析に興味がある方は連絡ください。
1サンプル、凄く高めに見積もっても50万円くらいです。
実際は都度見積もりですけれど。
この資料はここからダウンロードできます。
実験の原理は、ゲノムアセンブリに使うHi-Cと同じです。
ちなみに血液なら2mL 、細胞の場合10の7乗個程度、FFPEは厚さ10μmのスライス、組織の場合は1平方㎝ x 20μmが必要量らしいです。
そこからHi-Cライブラリを作製し、HiSeqを使って2x150PEで150M本読む。
そしてヒトゲノム参照配列にマッピングし、距離の分布図を作る。
染色体レベルの転座や大きな欠損変異などを検出する。
→解析のソフトウェアは、Selvaというものを用いる。
検出できる変異の大きさは、50kb以上です。それ以下だと感度が下がるそうです。
つまり、PacBioとは競合しない!!
PacBioは50bp~50kbくらいまでのInDel検出が得意だけれども、50kb以上の巨大な変異はリードが届かないので検出できない。
Hi-Cは連続配列では無くリードペアで変異を検出するので、あまり小さい変異検出だとノイズと差がはっきりしない。そのかわり、染色体レベルの構造変異検出には強い!
論文もbioRxivですが投稿されていますので、アルゴリズムに興味のあるひとはどうぞ。
検出感度でいうと、FISHと比べてもひけをとらず、例えば12個のがんのFFPEサンプル(20~90%の割合)をHi-C+Selvaで解析し、FISHで検出できた変異とどれくらい合っていたか、を比較したデータがあります。
Dovetailヒト構造解析のProduct Highlightから ダウンロードできる資料です |
FFPEはもともとDNAがフラグメント化しているから、ロングリードには向かないんですよね。
最後に、これは「まだ」受託サービスのみ、の商品なんです。
つまりサンプルをアメリカに送らなければいけない。
アメリカ国内のサンプルなら国内移動で問題無いので結構売れているらしいです
キットやソフトウェアの配布は、今のところ、予定はありません。
そういうニーズが世界的に増えて、キット&ソフトウェアの配布が可能になればもっと世界に広がる技術だと思うのですが。
とりあえず、海外へ送ってもいいサンプルで、この変異解析に興味がある方は連絡ください。
1サンプル、凄く高めに見積もっても50万円くらいです。
実際は都度見積もりですけれど。