最初は何て読むのかなと思っていましたが、ハイセック・テンでいいみたいです。
ヒトゲノムリシークエンスに特化したHiSeqを、10台でセットにしたシステムです。
今、どこに入っているのかなーとウェブで調べてみたら、このサイトにまとまっていました。
- Broad Institute (Cambridge, MA, USA)
- deCODE Genetics (Reykjavik, Iceland)
- Garvan Research Foundation (Sydney, Australia)
- Human Longevity, Inc. (San Diego, CA)
- MACROGEN (Seoul, South Korea)
- New York Genome Center (New York, NY, USA)
- Novogene (Beijing, Chaina)
- Sanger Institute (Hinxton, UK)
- WuXi Pharma Tech (Shanghai, China)
なんともう9システムも!
中国は2箇所で導入していますね。どちらも企業というのが驚きです。
韓国も企業です。
オーストラリアのGarvan研究所は、1週間に350ゲノム、年に18,000ゲノムを読むことができる、と書いています。
実際、10台のHiSeqXから出力されるデータは3日間で1.8Tb
1日で30カバレッジのヒトゲノム解析を可能にしたと、イルミナ社のドキュメントには書いてあります。
どんなところが買うのかなーと注目していたのですが、やはり大きな研究所は買っていますね。
Human Longevity, Incという会社は、あのDr. Craig Venterが共同設立者で、ヒトゲノムを年間10万人分読むという計画の下、HiSeq X Tenシステムを2システム、導入するそうです。
このシステムの特徴は、ヒトゲノム専用機械だということ。
ヒト以外のいろんな生物のゲノムアセンブリや、ヒトでもExomeやRNA-Seqなどには使用出来無いという制限があるそうです。
さて、次にこのシステムを買う研究所は、中東、カタールのSidra Medical and Research Centerです。
アラブ人のヒトゲノムデータベースをそろえるのでしょうか。
世界各地で今やホールゲノムシークエンスブームですね。
そんな中、「1000ドルゲノムが可能に!」 というキャッチフレーズは、個人的には嫌いです。
先のドキュメントには、「システム償却費、シーケンス消耗品、DNA抽出、サンプル調整、そして典型的なハイスループットゲノムラボにおける人件費(予測)を含めて1000ドルゲノムを可能にしました」
とあるんですが、「償却期間および人件費は機関の会計基準およびリソースによって異なります」
とも書いてある。
恐らく、国内営業的には、日本の会計基準に合わせ、日本の試薬コストや人件費を考慮して、プレゼンをしているのでしょう。
そうすると余計、1000ドルゲノムを達成するには、十数億円の投資を考えると、フルに動かしても4、5年はかかるのでしょうか?
アメリカでの試算がここにあります。
これによると1000ドルゲノムを達成するには4年間で72,000サンプルをフルに読む必要がある。
72Mドル・・・・・
システムが10Mドルとすると、ランニングコストが67Mドル
そこに人件費、光熱費、試薬代、すべてが含まれます。
ここで言う1000ドルゲノムには、データストレージ、解析サーバ類は含まれません。
結構なデータ量になりますよね。
何かこう、最近の「1000ドルゲノム」とは、言葉遊び、数字のトリック、が氾濫している気がするんです。
もっと良い指標は無いものか、と思うしだいです。
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