G&T-seq って何だ?
Nature Methodにのるくらいだから、何か新しいすごい方法かな?と思って読んだら何と、" Genome & Transcriptome " シークエンスとのこと。
えっ?
でもこの論文、シングルセルから、ゲノムDNAとmRNA(完全長)を同時に分けて抽出し、シークエンスできるというところがすごい、らしい。
Macaulay et al. (2015) Nature Method |
先ず、シングルセルは、フローサイトかマニュアルで分離した後、溶解。
そしてビオチン化されたSMARTer&オリゴdTプライマーと混ぜる。
オリゴdTは細胞内のmRNAのPoly-Aと結合するから、これでmRNAを釣ることができる。
このプライマー、ビオチン側にはストレプトアビジンでマグビーズが結合されているので、後で磁気で吸着させて他と分けることができるというわけ。
そしてPoly-A付きのmRNAと、ゲノムDNAを分けたら、mRNAは完全長を増幅。
ゲノムDNAは、全ゲノム増幅(Whole Genome Amplification: WGA)したそうです。
WGAは2種類、Multiple Displacement Amplification (MDA)と、PicoPLEX (Rubicon Genomics社のWGA)を使用した。
WGAの良し悪しは、色々議論があると思いますが、PicoPLEXで増やした方のゲノムはコピー数解析に用いられていました。
一方MDAの方はHiSeq Xシステムでがっつり全ゲノムリシークエンス、& SureSelect でターゲットを決めた後HiSeq 2500ラン。
転写産物の方は、ビーズで回収してきた後、直ちに逆転写酵素SuperScript IIでcDNAにし、KAPA HiFi Hotstart ReadyMixでシークエンスに必要な量まで増幅しています。
完全長を保ちつつ均一にcDNAを増幅できれば、PacBioシークエンスもできるわけです。
本論分では、1セルあたり2 SMRT Cell を使用してPacBioシークエンス(x 4セル)、当然Iso-Seq、しています。
2 SMRT Cellという数字から、恐らくサイズセレクションはしていません。
Iso-Seqでコンセンサスを出すまではSMRT Analysisで行い、その後ゲノムにマッピングする際はBLATを使っていました。BLASRではなく。
Nature Methodなので、メソッドに注目を置く論文ですから、サイエンス上の発見ということはあまり書かれていません。
シングルセルで、ゲノム変異とmRNA、特にアイソフォームを見ることもこれで可能になったということがすごいですね。
Single Cell Iso-Seq というのがいよいよ現実になった !!
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