先日、Hi-Cソフトウェアの話をしましたがその続きを少し。
PacBioのアセンブリとHi-Cスキャフォルディングを組み合わせた、その名も、
Falcon Phase
論文はここから
ソフトウェアはここから
因みにこのソフトはPacBioはサポート外です。バグなどは直接GitHubにお知らせくださいね。
そして、PacBioのSara Kinganが先月、SFAFで発表したスライドがこちら
DiploidのアセンブラーといえばFalconがあります。
Falcon+Unzipの弱点は、Primary Contigの中にも、Haplotype switchという現象が起こりうることです。
一本のPrimary Contigが必ず同じ染色体(ハプロタイプ)由来かというと、実はそうでは無く、十分長いHomozygousの部分がある限り、バブルの部分、Heterozygousの部分をきれいにハプロタイプに分けるのは難しい。
リード長に収まる範囲のSNPがキチンとPhasingできるのとは、少し別次元の話です。
Haplotype switchは、アセンブリした後の数百キロ~数メガ塩基のレベルで起こりうる現象です。
とここまで書いてて、書き言葉では全く伝わらないことに気づいた、、。
Primary Contigは、100%正確なハプロタイプというわけではなく、このようなHaplotype switchが起こる可能性があるので、Pseudo-haplotypeと呼ぶべきでしょう。
Falcon Phaseは、このHaplotype switchをできるだけ無くし、正しいハプロタイプを作るために開発されました。
まず、Unzipの結果からスタートします。
Priamry Contigのどこの部分がハプロタイプなのか(Associate Contigがある場所)を決めて、Primary Contigの中のフェージングしていた場所を分けます(Phase Block)。
その後、Hi-Cデータを加えて、Phase Blockが本当はどちらの染色体由来だったのか、をHi-Cのマッピング情報から推測するわけです。
なるほど、良く考えたな。
もちろん、Dovetail GenomicsのHi-Cデータもそのまま使えますので、ヘテロ性の高い、F1ハイブリッドをシークエンスした方は試してみたらいかがでしょうか?
1Gbゲノムサイズあたり、1億リードぺアのHi-Cデータが必要らしいです。
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