先週、DNA一分子のシークエンス、ナノポアテクノロジーに関しての国際シンポジウムが京都で行われました。
私もちょうど前日まで関西方面に来ていたので、京都、三十三間堂となりのHyattホテルの会場にお邪魔しました。
京都は何度も来ているんですが、三十三間堂側は初めて。
このシンポジウムに来た理由は、PacBioの創設者の一人、Steve Turner氏の講演があるから&私の友人も講演するからです。
Steveとは半年ぶりに会いました。
彼の話は、ZMWの考案にいたる歴史、つまり最初はDNAのシークエンスではなく、ポリメラーゼの動きについて研究していたところ、「副産物」として、シークエンサーのアイデアが思いついた、という話、から始まりました。
彼の専門は物理なので、ZMWについては思い入れがあるのでしょう。
それから1分子シークエンサーとして、機械を完成させ、コマーシャルラインに乗せ、超ロングリードというユニークな分野で優位を保っていること。
さらにロングリードを使ったアプリケーションを紹介していました。
彼のプレゼンは、内容もさることながら、その発表のスタイルが上手です。
喋り方がゆっくりで、発音もきれい。 ジェスチャーも自然で無駄な動きが無い。
TEDのプレゼンターもそうですが、間の取り方も上手です。
Steveは、私が見習いたいプレゼンターの一人です。
さて、ほかの参加者の話は、というと、生物系から情報処理系、完全なナノ物理系、とテーマが幅広かったです。
正直、ナノ物理系の話は30%くらいしか理解できませんでしたが、DNA分子を穴(ポア)に入れて、その分子が通る速度をコントロールすることがとても難しいということはわかりました。
穴の直径、素材、コーティング材、電圧、その他もろもろ、研究者のみなさんは相当苦労されているんですね。
単純にポアに通して・・・という話にはならず、通っても検出限界を超えるスピードで通り過ぎてしまっては意味が無い。
全ての分子が、等速度で、検出範囲内のスピードでポアを通過して欲しい。
今はまだR&Dのレベルですが、いずれマーケットに出てくる時代がくるかもしれません。
その時はどんなナノポアテクノロジーが残っているのか、興味があります。
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