2016年11月7日月曜日

アメリカ人類遺伝学会 ASHG PacBioネタ

ちょっと報告が遅れましたが、ASHG@バンクーバーのPacBioネタです。

初日のマクロジェン社のランチョンでは、10Kアジア人ゲノムプロジェクトの話がありました。当然PacBioのにとも何人か参加していましたよ。もちろん私も。
韓国人ゲノムAK1は、最近論文になりましたよね。
これからはアジア人を10000人、読みまくる!という威勢のいい話でした。
もちろん全部をPacBioで読むわけではないでしょう。

二日目はPacBioのランチョンセミナー
これはもう、YouTubeで紹介されていますので、興味のあるひとはここを是非チェック!

「ヒトゲノム+構造解析」は、これからのPacBioの大きなテーマです。
今までは、ゲノムアセンブリに注力してきたPacBioですが、アセンブリの分野ではもうグローバルスタンダード、になりました。
これ以上長く読める、技術的にも安定したシークエンサーは、今のところPacBio以外存在しない! というのは過言ですが、客観的に言ってもPacBioのSMRTテクノロジーは素晴らしい技術です。
巷ではナノポア技術が競合とみなされているようですけれど、まだまだ実績が違う。
PacBioで読んだ結果は、ちゃんとこれまで1700本の論文になりましたから。
PacBio は、サイエンスが議論できるレベルのシークエンサーです!


さて、学会期間中に新商品やサービスをアナウンスするのは企業によくあるパターンですが、PacBioもやってくれました。
その名も、新試薬、バージョン 1.2.1 for Sequel
て、地味だ。地味すぎる・・・

いまのSequel 試薬が1.2で、それの新しい版が1.2.1
やっぱり地味だ。

でもこの試薬のすごいところは、Sequelの最初の必要DNA量は変わらないけれど、そこからランできるSMRT Cellの数が増えたこと。
ゲノムDNA20ugくらいからスタートして、今までSequel は数セルしかランできなかったけれど、10セル程度かそれ以上ランできるように、ライブラリ作製効率が上がった(注:この辺の数字は大きくサンプル依存)。
具体的には、プレート上にロードするDNA濃度は、RSIIと同じ、6.5~40 pMになった。
プライマーも新しくなった。
その他、試薬ではないけれどロボット系の動きも少し変わった。

ベータテストの結果、20kb以上の長いライブラリ(w/ サイズセレクション)を読んで、出力は1セルあたり5~7Gb
平均リード長は10kb、11kbくらい(平均ではなくてN50 ならもっと長いですけどね)
バクテリア、植物、ヒト細胞から同じような出力結果が出ているようで。

さらに来年春のアップデートではもっと大きく改善する予定。
と、その時に名前は 1.2.2 とかではなくて、もっとインパクトがあるものにして欲しい!


0 件のコメント:

コメントを投稿