2016年11月5日土曜日

PacBio v.s. Oxford Nanopore 特許侵害訴訟に! うーん、仲良くやりたいんだけどなあ

11月3日に飛び込んできたニュース
この話は書こうかどうか迷ったけれど、これは一応個人のブログだし、PacBio社も2日経っても公式に何も言っていないので、好き勝手書きます。

PacBioがOxford Nanopore Technologiesを、特許侵害で訴えた
ニュース記事はこちら

これはですね、PacBioが2013年4月に出願していた特許「U.S. Patent No. 9,404,146」が、今年の8月に公開され、その中に記載されている請求項のいくつかが、ONT社が使っているテクノロジーに抵触している、ということ。
で、この特許・・・146は、すごく広範囲を抑えているんですね。私も全部読んだわけではないですが、キーは、「二本鎖の一分子DNAを、Sense・Anti-sense両方読む」というところが、どうやらONTの2Dシークエンス技術が侵害している、ということらしいです。

PacBioは、ダンベル型のライブラリを作って読むので、二本鎖DNAの両方のStrandを、片側ずつ何度も読むことができるCCSという方法があります。
ONTも、片側ダンベルアダプターをつけて、二本鎖DNAの両方のStrandを、片側1回ずつ読む、2Dシークエンスという方法がある。

また、この特許・・・146は、一分子DNAをそのまま読む、という方法論についてもカバーしている。
つまり一分子シークエンサーは、ことごとく抵触してしまう!

この特許は、国際出願されていないらしいので、とりあえずアメリカマーケットが問題になるのでしょうね。でもアメリカは世界最大のマーケット。日本への影響は多大でしょう。

この宣戦布告の発表があったその日、PacBioの第3四半期の発表もありました。
絶好調とまでは言わないまでも、これまでにSequelを75台も売り、アップデートの予定など今後の見通しも明るい、というものでした。
でーも、特許侵害のニュースのインパクトの方が大きかったのか、翌日の株価は20%の下落!
まあ、「トランプ大統領候補が勝つかも知れない不安」のせいで、Nasdaqも全体的に少し下げたんですが、20%は無い。


私は、個人的には、仲良くやって欲しいというのが本音です。
知っているひとは知っていると思いますが、前からの友人もいますし。
立場上、ライバルなので言うことは言いますけどね。
でも一緒に業界を盛り上げていこう、という気持ちです。

これからどうなるのか。

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