2015年3月2日月曜日

AGBT レポート: がんの構造変異をPacBioで読み解くプロジェクト進行中

AGBTレポート、って書いていますが私、行ってません。
Twitterとかブログとか、ビデオとか、学会に行っていなくても情報収集はそこそこできるんですね、今の時代。

がんの構造変異、Genomic Instabilityは、コピー数変異とか染色体転座とか、いろいろあります。
PacBioのロングリードで、いったいどこまでわかるのか? そんなプロジェクトに挑戦したのが、Cold Spring Harbor Laboratory のW. Richard McCombie博士らと、Ontario Institute of Cancer Research の研究者たちです。

McCombie博士らは、HER2+ breast cancer セルライン、SK-BR-3を、PacBioで全ゲノムの70X カバレッジ読みました。
平均リード長は9~13kb、最大71kb(P6C4試薬なら、不可能ではありません。私も最近、平均11kb、最大54kbのデータは見た事あります)

70xも読むこともすごいですが、これだけのデータ解析をする計算機もきっとすごいものをお持ちでしょうねえ。

ということで、解析パイプラインは

  1. ゲノムに対するアライメントで大抵の変異イベントをキャッチ
  2. 特に興味のある場所に関しては、ローカルアセンブリをして、転座やLarge InDelが無いか調べる
  3. 最後にホールゲノムアセンブリで、新規の変異を探す

というもの。


Her2遺伝子のコピー数増加は、ショートリードでもわかることかもしれませんが、その周辺の転座などはPacBioでダイレクトに読んだほうが、確実です。
メイトペアやペアエンドの情報よりも、PacBioの連続ロングリードの情報のほうが、「ここで転座おきている!」って説得力ありますよね。

ところで、このプレゼン、CSHLのSchatzラボのリンクからPDFが入手できます。
がんの研究にPacBio使えるかなあ、って興味ある方は一読をお勧めします。

実際に見つかった転座の位置なども、スライドを見たほうが一目瞭然ですね。




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