2015年3月3日火曜日

AGBTレポート2:Synthetic Long Read Again ?

Bio IT World の記事です。


AGBTでは、NGS関連での大きな新製品発表のニュースはありませんでした。

Illumina社は1月に、HiSeq3500、4000、HiSeq X5をもう発表していたので、新しい発表は無し
Thermo Fisher (LifeTech)社は、P2チップの販売はまだ無し
Oxford Nanopore社は、いつも通りで、インパクトに欠ける
Qiagen社のシークエンサー、Gene Readerはまだ形が出るまで時間がかかる
AGBT唯一のゴールドスポンサー、Pacific Biosciences社は、「いよいよベンチトップマシンを発表するか!?」 という噂があったそうですが、それはあくまで噂。
PacBioの大きさは変わりませんよー!

さて、そんな中、注目されたのが、10X Genomicsという会社
この機械の名前は、GemCode


ユーザはDNAサンプルを、GemCode Chipといわれるカセットに投入します。
すると、ゲルビーズとオイルが充填された微細管流路(Microfluidics)の中を、DNA分子が分かれていって、ひとつのGem(ウェルと訳せるのかな?)に一分子のDNAが入るそうです。
このときはまだ、DNAも100kbくらいのロング配列。
で、そのGemごとに、ロングDNAは、Illuminaシークエンサー用に断片化され、14-baseのバーコードが付けられる(この辺の技術は公開されていない?)。
Gemごとにバーコードが付いているので、断片化した後ライブラリが作られシークエンスされても、元のDNA分子がどのロングDNA由来だったかがわかるので、ショートリードからソフトウェアで元のロングDNA配列が再現できるというわけ。

ん?

何かどこかで似たような技術があったかと。
Moleculo 社の Symthetic Long Read !!
これも、切断前のDNAにタグをつけて、ライブラリを作ってHiSeqでシークエンス、そのあとタグを元にアセンブリし、切断前のDNAを再現する。

結局、10X Genomicsのテクノロジーも、真のLong Readではないのです。
ショートリードのテクノロジーを使ってシークエンスする以上、GCリッチの連続配列など、読みきれない場所が必ずあると思うんですが、まだデータを見ていないので何とも言えませんけど。



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