2018年3月30日金曜日

学会2連ちゃんした結果頭の切り替えが大変だった件

今週は日曜月曜が日本育種学会、火曜水曜が日本細菌学会。
両方とも福岡での開催で連続していたので2連ちゃんをしたわけです。
これは細菌学会での私たちのブース
お隣さんは、ショートリードのI社ですよ。反対のお隣さんはひとつおいてロングリードのO社ですよ。さすがAEさん!
まあ、NGS業界はみんな仲良いから変な空気にはなりませんけどね。

どちらも登録して中のセッションも聞きに行きました。
育種学会はもちろん植物の学会なので、遺伝マーカー、連鎖解析、植物の各組織の名前、収量、環境ストレス、というキーワードが頻繁に聞かれます。
一方細菌学会は、抗菌薬、選択圧、病原性、病気の名前、サーベイランス、プラズミド、というキーワードを良く耳にしました。
というわけで、あたりまえですが参加者の研究分野が全然違うのです。恐らくお互い接点は無いのでは。
なので2連ちゃんすると異業種交流会に来たような錯覚。

以下、私見ですが・・・
ゲノム解析の重要性について
育種学の分野では、イネなどの主要穀物は、国際プロジェクトなどである程度ゲノムが読まれている。しかし今は品種ごとにゲノムを決定する必要がある。コムギなどはゲノムサイズが大きく、また倍数性も高いため、完全ゲノムを決定するのは極めて困難。遺伝マーカーを決めるためにRAD-Seqなど様々な方法を試している。野菜や果物などもゲノム解析のニーズは高いが、植物はリピートなどが極めて多いので、完全なゲノム配列を求めるというよりも、選別のための遺伝マーカ―さえわかればOKという感じ。

細菌学の分野では、バクテリアはゲノムサイズが小さいので完全長ゲノムを決定することは十分可能。とはいっても、染色体中に数十Kbの同じ配列が逆向きに挿入されるような場合もあるらしく、そういう場合はもちろんPacBioなどロングリードが必要だし、それを使っても完全長決定が大変な場合もある。バクテリアゲノムは遺伝子が密な分、完全に塩基配列を決定する重要性が感じられた。
薬剤耐性、特にカルバぺネム耐性菌の場合、耐性遺伝子がプラズミドに乗っている場合があるらしいです。その場合はプラズミド配列を読むことが一層大切。


学会の参加者と話して感じたこと
育種学会には、全国の農業試験場、農研機構、国立研究機関、大学農学部、種苗メーカー、食品メーカー、酒造メーカー、などから研究者が集まります。
私が感じたのは、この業界は産学の繋がりが強いということ。
中にはいろいろ大人の事情もあるのでしょうが、外から見た感じは「みんなすごく仲が良い!」 
より良い農作物を作ろう、という目的はみな同じ。横のつながりが強いのでしょうかね。
あと良かったのは、育種学会のポスター発表では必ず毎回、地元の高校生も発表するんですね。こういうのは素敵です。
懇親会はいつも、地元の食材を使った料理やお酒がふるまわれます。秋の大会(育種学会は年二回)のほうがお酒の量凄い、気が。

細菌学会は、国立国際医療研究センター、国立感染症研究所などの研究機関、大学医学部の微生物や細菌学の教室、全国の総合病院などから研究者が集まります。
細菌学は産業と言うより、公衆衛生学の観点からいかに感染拡大を防ぐか、どうやって細菌からの感染を予防するか、の議論が多いように感じました。
生死に直結している分、緊迫感が感じられる学会かな。
こちらは懇親会は無し。ポスターのミキサーでは軽食がありました。
ポスターはこちらもすごい活気がありましたよ。部屋の温度が5度くらい上がっていたかもね。

育種学会と細菌学会はそんなわけで連続していたのですが、全然客層も違う学会なので頭の切り替えが難しかった。
でもどちらも今回はブース出したかいはありました。
出展料の数十倍のリターンはあったかも。

PacBio系の話は次にします


~~~さて連絡事項です~~~
今年もやります、PacBio現場の会!
2018年5月18日(金)
午後1時から5時過ぎまで 懇親会もあります
場所は東京・秋葉原のUDX Next1

演者の方も決まりました。4月になりましたらお知らせします!
バクテリアから植物ゲノム、がんゲノムなど幅広い分野から5名のお客様の講演
PacBioのアプリケーション、アップデート、Dovetail Genomicsの紹介などなど、盛りだくさんな半日セミナーになる予定です!

是非まずは日付をチェック!〇付けてほかに予定入れないでおいてくださいね!

4月になったら、NGS現場の会メーリスや、このブログや、PacBioからのメール、トミーデジタルバイオロジーからのメールなどで、登録サイトなどをお知らせします。
乞うご期待

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