2016年3月1日火曜日

ロングリードのクリニカル応用 AGBT2016から


2月26日のGenomeWebに、AGBTでのロングリードに関する記事が出ていたのでシェアします。
At AGBT, Researchers Describe Using Long Reads for Clinical Applications
この記事は、有料です。ですが、せっかくPacBio関係のことも書いているので、要約をまとめてみました。少し割愛した部分もあります。

最初の方はもう皆さんおなじみ、Icahn School of Medicine at Mt. Sinaiの話です。

「Mount SinaiのRobert SebraたちのラボにあるNGSは、7台のHiSeq 2500/4000、2台のMiSeq、10台のIon Proton、5台のS5、2台のPGM、3台のPacBio RSII、そして2台のSequel!
このほか10XやFluidigm C1などもあり、IonサンプルプレップのChefは11台。

Sebra曰く "全ての個人は2500塩基以上の長さの構造多型を約1000個持っている。これらはショートリードで検出することは難しい"
彼はNGS、特にPacBioをクリニカルの分野に応用するのに意欲的です。
例えば、CYP2D6遺伝子、これは代謝系の20~25%を担う重要遺伝子ですが、非常にPolymoriphicでPseudogeneもありCopy数バリアントの存在も、解析を複雑にしていました。ここには100を超えるスターアレル、つまり個人ごとに、ある種の薬の代謝能力に影響するアレルが存在します。
このアレルを個人ごとに決定することは、SNPフェージング(注:ここでは同一染色体上に数キロ離れて存在するSNPのハプロタイプを決定することの意味)を正確に判定することになり、これは非常に重要です。なぜならそれによって、代謝できる薬の量などを個人ごとに分ける必要があるからです。
Mt.Sinaiのチームは、ロングレンジのPCRで増やしたCYP2D6遺伝子をPacBioで読み、この問題に挑戦しました。
また、3kbから6kbのPCRアンプリコンをデザインし、BRCA1とBRCA2の遺伝子を完全に読むことも行なっています。現在Exonのみにバイアスがかかった既存のデータ以上の新規なことを見つけること、そして臨床診断に活かすこと、を目指しています。
彼らがロングリードで見つけたInDelの多くは、Ionのアンプリコンパネルではデザインされていないもので、現在検証が続いているとのこと。

Uppsala Universityには、HiSeq X Tenと、17台のHiSeq2000/2500、3台のMiSeq、1台のNextSeq、2台のPacBio RSII、そしてこの春はSequelが入る予定のコアラボがあります。ここでもRSIIのクリニカル応用を目指したアプリケーション開発が行なわれており、慢性骨髄性白血病患者におけるBCR-ABL1融合遺伝子検査方法が完成しました。
この遺伝子融合を持つ患者は、イマチニブで治療可能です。しかし同時に、融合遺伝子の中に変異があると薬が効きません。この効かないタイプの変異を見つけるには、従来サンガー法しかありませんでしたが、感度が低いのが難点でした。
そこで、RSIIを使用して感度の高い検出方法が開発されました。
融合部位を含む1.6kbのPCRアンプリコンをデザインし、PacBioで10000倍のカバレッジで読みます。これにより、ある患者さんでサンガーでは検出できないほど低い変異があっても、PacBioでは確実に検出でき、そして数ヶ月が経てばPacBioで検出された変異は確かにサンガーでも検出できるほどになりました。100人の患者さんで試し、100%のConsistencyを示しました。

Rocheグループ傘下のGenentech社では、これまでショートリードをメインに使ってきた診断ビジネスで、PacBioのロングリードにも注目している。
彼らは、中皮腫の症例における遺伝子SFB1のスプライシングを決める変異を、PacBioのIso-Seqを使って発見しました。さらにがん抑制遺伝子に影響を与えるスプライス変異も見つけたそうです。

さて、Oxford Nanoporeも含めたロングリードは、感染症の診断と追跡にはどのように使われるのでしょう?

Birmingham大学のNick Lomanは、彼のラボを、西アフリカでのエボラ感染が疑われる患者サンプルをシークエンスするための、MinIonリアルタイムプラットフォームと呼んでいます。彼らは、新鮮な採血サンプルから2kbのリードを読み、ウイルスの変化や感染経路を明らかにすることができました。今までギニア、シエラレオンそれぞれ別の感染源があるといわれていましたが、彼らとその共同研究グループは、これら2つはお互い国境を越えて交わりあっていたことがわかりました。142サンプルを使ったこの研究の結果は、今月Natureに発表されています。

UC San DiegoのBen Murrellらは、HIVウイルスのENV遺伝子をPacBioで読んでいます。ENV遺伝子は非常に変化に富んでいてシークエンスはチャレンジングですが、唯一表面に出るたんぱく質で、患者の中には抗体を持つこともあります。
MurrellらはENV領域を、PacBioでシークエンス、CCSで深く読むことにしました。
さらに患者さん(特に抗体を作った患者さんに注目しながら)を時系列で追っていき、その時々でENV遺伝子を読み、どのような進化を遂げるのかを配列から観察、ワクチンをどうやって開発したら良いかを研究しました。」


うーん、ロングリードが診断に応用できるのは間違い無いですね。
もちろん、コストという大きな壁が存在しますが、これはNGS全般に言えること。
一旦アプリケーションプロトコルが確立されれば、半自動でロボットがサンプル調整などを行なって、コストや手間は格段に下がるはずです。
ここまで至るには、アメリカでもあと1年、かかるでしょうか。しかし確実に、その時代は来ています。

さて、PacBioのABGTワークショップの様子ですが、YouTubeにアップされていますので誰でも観ることができます。
先のMt. Sinai、Uppsala大学、UC San Diegoの発表もあります。というか、Genome Webの記事も、かなりの部分、このワークショップの内容なんですがね。



2016年2月29日月曜日

Pac現場の会終了、次はゲノム微生物だ!

先日、「第二回PacBio現場の会」が秋葉原で行なわれました。自分で言うのもアレですが、大盛況!だったです。
ご協力頂いた方々には本当に感謝。

前日までの登録者と当日登録の方を合わせると、約80名
演者の方々と、スポンサー企業の方々、PacBio社員&我々トミーデジタル社員を合わせると、全体で110名
おおー、すごい数!

Sequelのデモ機を運んで前に置き、ブースキットを演者台の後ろに置き、パーティ風船をプカプカ飾って、会場の前はこんな感じに。

会場の様子(休憩時間が終わるころ)

この会場の後ろに、広いスペースがあって、お菓子置いたり、コーヒーがあったり、各社スポンサーさんのブースがあったり、という感じです。

こういう企業が主催するセミナーって、どうしても硬い感じがぬぐえないですよね。
終始真面目なセミナーもそれはそれで無難ですが、できれば少し型を外れた、後で少し怒られそうなくらいの(怒られませんでしたが)セミナーもやってみれば楽しいものです。
これもうちの社風だからなせる業?

今回のセミナーを簡単に振り返ってみましょう。

先ずは私の簡単なイントロとSMRTシークエンスのおさらいがあって、
トップバッターは一般社団法人 沖縄綜合科学研究所 中野和真様
沖縄におけるPacBioシークエンスを使用した共同研究について、様々な例をあげられました。

次に国立研究開発法人 農業生物資源研究所 坂井寛章様
アズキゲノムの論文のお話を、今回はインフォマティクス寄りに詳しく発表して頂きました。
ゲノムアセンブリは、アノテーションまでしっかりやろうとすると、非常に細かい丁寧な仕事が必要だということが、良く伝わってきました。

その後はDepartment of Genetics and Genomic Sciences, Icahn School of Medicine at Mount Sinai Robert P. Sebra様
Bobbyさんの仕事は非常に多岐にわたり、もちろん発表は英語なので、午前と午後に分けることにしました。
で、午前の部は、Non-Humanのテーマ(感染症バクテリアなどのサーベイランスなど)

ランチョンセミナーは日本ジェネティクスさんから、サイズセレクションに必要な機器のご紹介。
お弁当、美味しかったですよね。 あ、もちろんお話も、実験するひとには参考になったのではないでしょうか?

午後はトミーデジタルから、新製品Dragenの紹介と、PacBioに関するクイズ大会。
Dragenは実機は残念ながら間に合いませんでした。
クイズ大会は、リアルタイムに何人がどこに投票したかわかるようなシステムを使って、それなりに盛り上がりましたよね。

さて次は、東京大学大学院理学系研究科 小森智貴様
PacBioを一分子計測の顕微鏡として使用している日本で唯一のラボからの発表です。
NGS現場の会では絶対聞けない貴重なお話でしたよね。

そして、東京医科歯科大学難治疾患研究所 田中裕二郎様
PacBioのロングリードをもってしても、ヒトゲノムでは正確に読めない・読めづらい領域がある、そういうことが伝わるご発表でした。しかしそういう長い繰り返し配列は、難治疾患に関係する場合が多いんですよね。

Bobbyさんの午後のセッション、こちらはHumanのテーマ(全ゲノムやターゲットリシークなど)。さらにはSequelを使ったアンプリコンシークエンス&変異検出のデータも登場!

休憩はさんでアズワンさんのコーヒーセッションセミナー
BioNanoのIrys(ゲノムマッピングの機械)の発表でした。

その後DNAnexus Inc. による、サービスの紹介。
アマゾンクラウドを使った、ゲノムアセンブリパイプラインサービスの話です。
余談ですが、DNAnexusの彼らとは、翌日、有楽町の「新日の基」っていう高架下居酒屋に連れて行って呑みました。日本食大好きらしいです。結構喜んでました。この居酒屋、外国人の接待には良いですよ。店員さんみんな何かしらのバイリンガルなので。

話を戻して、次は金沢大学 医薬保健研究域医学系革新ゲノム情報学分野 細道一善様
PacBioによるHLAのシークエンスは、メディカルへの応用が一番進んでいる分野です。
他のシークエンサー(ONT含む)のデータも比較に紹介されていました。

最後のユーザ演者は、慶應義塾大学先端生命科学研究所 荒川和晴様
クモの話とクマムシの話。
クマムシについては、ライバルの論文のおかしなところを論理的に攻めている荒川さんが格好良かった。

みんなが疲れてきたところで、私の軽い内容の話。
いえ、ちゃんと、Sequelの最新データもお見せしました。
突っ込まれる点もあるにはあるんですが、最初のデータですからねえ。今年中にはもっとすごくなりますよ。

ゆるい締めがあって、記念撮影、パシャリ!
記念撮影
写らなかった方もいるので110名全員ではないですよ


演者の先生方には本当に感謝します。遠方からこの発表のために駆けつけてくれた方もいらっしゃいました。ありがとうございました。

スポンサーの日本ジェネティクスさんとアズワンさんも、急なお願いにも関わらず発表して頂き、ありがとうございました。

また、セミナー会場や懇親会会場をおさえてくれたり、裏方でいろいろ準備・働いてくれた同僚たちもお疲れ様でした。通常業務にプラス、これの準備、でしたからね。




さて、今度は3月4日のゲノム微生物学会です。東工大@大岡山にて。
ランチョンセミナーを行ないます。
ゲノム微生物学会に参加されるかたは注目ですよ。

参考文献はこちら
Hiraoka et al.
Genomic and metagenomic analysis of microbes in a soil environment affected by the 2011 Great East Japan Earthquake tsunami.
BMC Genomics. 2016 Jan 14;17(1):53

学会運営会社に聞いたところ、整理券とかは配布しないみたいですから、直接会場へお越しください。
お弁当が無くなる前に。


2016年1月31日日曜日

ロングリードでゲノムアセンブリ これからの課題はブラウザにあり

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「第二回PacBio現場の会」参加登録はこちらから
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1月も終わり、アメリカの有名学会、AGBTが近づいてきました。
私も例年通り、あたかも行って見てきたかのような(笑)、レポートをしたいと思います。

今年のPacBioの目玉は、やっぱりSequel
あの会社と合同シンポジウムをするとかで、注目度は上がっていますよ。

さて、AGBTと言えば・・・
以前、AGBTのPacBioワークショップにて、Cold Spring Harbor LaboratoryのDr. Dick McCombieが、PacBioでHer2-増幅乳がんセルラインのゲノムを読んだ発表があった、とお伝えしました。

そのMcCombie氏の共同研究者でもある、Dr.Mike Schatz
Schatz氏のインタビューが、ここから聞けます
とてもはっきりとしたきれいな英語なので、聞き取りやすいし、リスニングの練習にもなるかも。

話題は、そのがんゲノムアセンブリの話やロングリードの話にとどまらず、将来的に必要とされる、次世代ゲノムブラウザの話に及びます。

次世代ゲノムブラウザ? 
ひとつお断りすると、Schatz氏は実際にはこう呼んでいません。すいません。

今のようにひとつのリファレンス配列にマッピングしてジェノタイピングをするのではなく、人種ごとにもっと多くのリファレンス配列が必要です。
この、「人種別リファレンス計画」が実現味を帯びてきたのは、やはりロングリードの技術革新。PacBioを使えば、これまで国際プロジェクトだったプロジェクトも、数箇所の大学や企業との共同研究で、数年で完結できる。
2016年はそんな成果がどんどん出てくる年になります。

さて、PacBioなどの技術をフル活用して人種ごと、あるいはもっと細かいレベルの集団のリファレンス配列を作ったとします。
たぶんそういった細分化されたリファレンスゲノムは、人種ごとに大きく違う。
個人ゲノムをどんどん読んで、マッピングしてジェノタイピングするには、できるだけその人に似た集団のリファレンスを選ぶようになるでしょうね。
また、どんどん集団が細分化されて、リファレンスそのものの定義も将来変わってくるでしょう。

将来的には個人レベルでゲノム配列が決定される時代がくるかもしれない。
がんなど、Somaticな変異を見たい場合は、個人ゲノム配列があったほうが良いでしょうね。
今はまだ、個人ゲノムシークエンスといっても、ゲノム配列を決定しているわけではありません(これを読んでいるひとはわかると思いますが、結構誤解されるひともいるので念のため)。

そうなってくると、UCSCゲノムブラウザのように1本のリファレンス配列を表示、というわけにはいかないでしょう。
どんなブラウザが良いのか?
ヒトゲノムのアセンブル結果を、その後のジェノタイピングまで考えた上で、わかりやすく表示するのにはどうしたら良いのか?

若いバイオインフォマティシャンたちに期待するところです。

個人的には、2012年のNGS現場の会(大阪)にて、誰かの開発した「3次元ゲノムブラウザ」を見せてもらって、ああ、これいいな、と思った記憶があります。
でも人間の頭は2次元ゲノムブラウザに慣れている?から、3次元で表現された情報が万人に受けるには時間がかかりそう。

でも、今のゲノムブラウザでは早晩限界が来ると思っています。
想像ですが、この技術革新は、NIHや大学や国際コンソーシアムなどが作るより先に、Googleなどの企業から生まれてくる気がします。
この手のプラットフォームを確立させてしまえば、クリニカル現場に膨大な影響を及ぼすことができますからね。マーケティングもうまいし。
もうどっかのベンチャーが開発しているかも。


最後に、Schatz氏はインタビューでも言っていますが、Cold Spring Harbor LaboratoryでもSequelを購入。これからヒトゲノムをいくつも読む予定だそうです。
余談ですが、Schatz氏は昨年子供が産まれ、ASHG前日のPacBioパーティでは赤ちゃんを抱っこして回っていました。終始パパさんの顔でしたよ。

2016年1月25日月曜日

第二回PacBio現場の会・タイトル決定

開催まで一ヶ月を切った「第二回PacBio現場の会」ワークショップセミナー
参加ウェブサイトはこちら

演者の皆様から頂いた、講演タイトルをお知らせします。(1/31編集)
前回(2年前)はバクテリアアセンブリの話しが多かったですが、今回は色んな分野、本当に色んな分野のお話が聞けますよ。

国内ユーザ様、共同研究者様からのご講演

  • PacBioロングリードが可能にするクモ及びクマムシのゲノム解析(慶應義塾大学先端生命科学研究所・荒川和晴様)
  • 次々世代シーケンサーPacBio RS Ⅱの医療・環境・農工学へのインパクト2015(一般社団法人 沖縄綜合科学研究所・中野和真様)
  • GCリッチで3.3Kbの長さの反復配列をPacBioで読む(東京医科歯科大学難治疾患研究所・田中裕二郎様)
  • PacBioによるアズキゲノム解読(国立研究開発法人 農業生物資源研究所・坂井寛章様)
  • HLA研究におけるロングリードのアドバンテージ(金沢大学 医薬保健研究域医学系革新ゲノム情報学分野・細道一善様)
  • PacBio RSIIにより実現する次世代型1分子計測(東京大学大学院理学系研究科・小森智貴様)
協力メーカー様からのランチョンセミナー、コーヒーセッションセミナー
  • ロングリードシーケンス向けライブラリー作製に適したサイズセレクション装置の選択(日本ジェネティクス株式会社・鈴木智様)
  • BioNano Irys systemがもたらすNext-Generation Mapping(NGM)(アズワン株式会社・上向健司様)

海外招待講演

  • Using SMRT Sequencing Technology to Generate Long Read Data Toward Medically Relevant Applications Encompassing Germline, Somatic, and Infectious Disease(Department of Genetics and Genomic Sciences, Icahn School of Medicine at Mount Sinai Robert P. Sebra様)

海外ドライ系の会社からの発表

  • Fast and Accurate Reference Quality de novo Assembly of Tobacco(DNAnexus Inc.)


すみません、講演の順番は調整中です。

このうち、東京大学の小森様の発表はとてもユニークです。
RSIIをシークエンサーとしてではなく、次世代型蛍光顕微鏡として使用している例をご紹介いただきます。世界でも非常に珍しいと思いますよ。

アメリカ Mount Sinai Medical School からの招待演者については、未だタイトルが決まっていませんが、内容はこんな感じで考えてもらっています。

  • 前回紹介したときよりも、もっとすごいインパクトのあるデータ
  • 進行中のプロジェクトや将来に向けたクリニカルシークエンスプロジェクト
  • ヒト以外のゲノムについても、いつくか紹介
  • Sequelのデータも、もし "cool enough" なら公開(楽しみですね)

ご存知の方もいるかもしれませんが、演者の Dr. Bobby Sebraは、創業間もない時期のPacBio社員。
PacBioの装置も試薬も知り尽くしているからこそ、挑戦的な実験もどんどんやっているそうです。
彼のボスは元PacBioの Chief Scientific Officer、Dr. Eric Schadtです。
Roche Bioscience社にて研究をしていたこともあるDr. Schadtは、当然Roche社とも太いパイプがあるでしょう。3台あるRSIIのうち1台は、かつての454研究所にあるという。
そんな背景があってかどうか、新型装置Seqeulのアーリーユーザです。

あ、それともしかしたらもう1人、ドライ系の演者が増えるかもしれません。
増えました。DNAnexus社です

新型装置Sequelについて、聞きたいことがあるかたもいらっしゃると思います。
それについて知る良い機会かもしれませんね。

参加登録はこちらから


2016年1月21日木曜日

SMRT Grant Program アメリカ版フリーシークエンスキャンペーン


前々回のNGS現場の会で、私たちはPacBioフリーシークエンスキャンペーンを行ないました。
あのときは結構奮発して、4名の方にそれぞれ8セルずつ、無料でシークエンスしました。
いろんな学会等で発表して頂いて、論文になった例もあり、マーケティングとしては大成功!

さて、今年、今度はPacBio本社から少し魅力的なフリーシークエンスキャンペーンのお知らせがあります。
その名もSMRT Grant Program


応募者の中から5名が選ばれ、PacBio社員ではなく外部の科学者に評価してもらい、最終的に1名に絞り込まれます。
このラッキーな1名には、Sequelで10セル分のシークエンスをプレゼント!

というもの。

対象はゲノムアセンブリ、Iso-Seq、生物種は問わず
メチレーションは対象外

解析はドイツのバイオインフォ会社、Computomicsが担当、実験はPacBioまたはPacBioの協力会社が担当します。
PacBioの装置や試薬を買う必要は全くありません。

最終的には今年中に解析まで完了し、翌年のPAGで発表!というのがゴールです。
なので、あまり複雑な実験(1年で完了しないような実験)は採用されない可能性が高いです。
Sequelで10セルといえば、50Gb以上。結構大きなゲノムでもアセンブルできそう。
既にIlluminaやBioNanoのデータがある、という方も、Pacとハイブリッドでアセンブリを完成させるのはどうでしょう?

ノミネートされながらも当選から漏れた4名の方には、それなりに何かいいことがあるそうです。
ここはケースバイケース

興味がある方は、こちらから応募してください。
英語で120単語の簡単なプロジェクトの説明を書いてください。
応募に必要なのはたったこれだけ。
締め切りは今月末1月31日です。(これまた急ですみません)

ちなみにこのGrant Programに関して、私は直接は関与してません。
PacBio本社とダイレクトに連絡し合って結構です。

さて、

「第二回PacBio現場の会」セミナーワークショップ@秋葉原UDXまであとおよそ1ヶ月!
参加はこちらからどうぞ
さまざまな分野からの面白い発表が聞けますよ。
参加者の中にも、ユーザの方や共同研究の方、ウェット、ドライ、様々なバックグラウンドの方、初心者から玄人まで、たくさんいらっしゃいます。
是非ご参加ください。

間もなく演者のご発表内容もアップデートします。
お楽しみに。

2016年1月18日月曜日

ベルギービールは好きですか?

仕事の後の一杯はビール、というひとも多いでしょう。
日本の大手ビール会社が売っているビールはラガービールがほとんどですよね。
クラフトビールのブームで、エールビールも最近は多く流通しています。

ラガーとエールの違いは、発酵の温度と酵母。
5~10度で1週間、下面発酵させるのがラガービールで、「切れ」が特徴。
15~25度で3、5日間、上面発酵させるのがエールビールで、「香り」が特徴。
最初の発酵は1次発酵といわれ、その後、貯蔵タンクで2次発酵に移ります。
ちなみにビールの苦味は、最後の仕込み段階で入れるホップの量に左右されます。

なーんてことは、サッポロビール園に行けば教えてもらえます。

さて、そのラガーやエールとはまた別の種類、自然発酵ビールというのも存在します。
ベルギービールが有名ですが、古くは樽の内側についていた酵母の働きを利用して、自然に発酵させて作られたビールらしいです。
有名なものには、ブリュッセル南西を流れるゼナ川周辺にのみ生息するらしい野生酵母を使って木製樽の中で二次発酵される、ランビック・グース。(ウィキペディアの情報より拝借)
修道院の維持と修繕費確保のために作られている、トラピストビールの、オルヴァル。
いずれもかなり特徴のある味ですよ。

オルヴァルは、ホップが利いて苦味が強めです。
アルコールは6.2%、12~14Cが飲むのに最適らしいのでグラスに注いで少し待ってから飲んだほうが良いと思います。
この写真を撮りたいがために、今(深夜0時)に飲んでいる私の手と

これら自然発酵ビールは、3次発酵というプロセスがあり、そこでまた別の酵母を入れたりするそうです。
このように、最後の香り付けのために酵母を入れることは、ワインなどでも行なわれます。

さて、そんな酵母のひとつに、Dekkera bruxellensis があります。
Dekkera bruxellensis の特徴について詳しく知りたいかたはこちらの文献をどうぞ。

その酵母をテストサンプルとして、ショートリード、PacBio、OptGenで読んでアセンブルした論文がこちら

彼らはこの論文で、NouGATという解析パイプラインを作った、と紹介しています。
ヌガー、って発音すると思いますが、これ、フランスのお菓子の名前です。
解析パイプラインにお菓子の名前をつけるなんて洒落てますね。


GitHubでNouGATって検索してみて下さい。
このパイプラインは、3rdパーティのアセンブリからマッピングまでのツールをまとめて、途中クオリティチェックなどをやってくれるそうです。
とはいえ、公開されているNouGATは、PacBioのデータにはまだ対応していない模様・・・。
残念というか、何と言うか・・・

彼らがこのゲノムアセンブリにショートリードとPacBioとOptGenを使っていますが、OptGenはどんなデータなのでしょうね。今ならPacBioでも十分長い配列が得られると思ったのですが。


ちなみに、私がお勧めする、ベルギービールに特化してかつ雰囲気いい店は、
ビアカフェ・ド・ブルージュ(神戸・三宮)
アントワープ・セントラル(東京・大手町)
グラン・ドルフィンズ(大阪・心斎橋)もこじんまりとして良い雰囲気の店だったけど、今検索したら閉店したらしい・・・

輸入ビールなので、お値段ちょっと高めです。
なので私は、イオンの酒屋とかで買って、家呑みすることの方が多い。


2016年1月8日金曜日

間もなくPAG - PAGでの情報いろいろ

私は日本にいますが、サンディエゴではPAG Plant Animal Genomics 学会が開かれます。
ここではもちろん、PacBioがブースを出します!

私も毎年参加したいなあ、と思っているのですが、ちょっと個人的な理由でこの時期は無理なのです。来年こそは!

さて、日本から、まるでPAGに参加しているかのように、宣伝します!

この資料はこちらからPDFでダウンロードできますよ。

これらの発表はもちろん、RSIIを使った仕事です。
Sequelを使った仕事はまだ出てきていないので、そのうちですね。

PacBioのワークショップは、PAGに参加できないひとでも、後でビデオでみることができます!
レジストレーションしたいかたは、こちらからどうぞ。

Request recording にチェックを入れて、名前・所属とメールアドレスを書いて、Submit !
これを忘れた方で、後で録画が欲しいかたは私にお知らせ下さい。後でリンクをお送りします。

さて、PAGの後は、2月にAGBTがありますよね。
残念ながらAGBTも不参加ですが、その学会でのPacBioに関する情報はほぼ入ってくるので、またUpdateします。

AGBTの次は、
2月23日(火)に秋葉原で行なわれる、「第二回PacBio現場の会」ワークショップセミナー

こちらは皆さんも、参加費無料ですから、是非ご参加下さい!
PacBioの社員も来る予定です。