Dovetailユーザーミーティングレポートも今回が最後です。
今日は昆虫
昆虫は地球上でもっとも繁栄した種だと思います。
私は子供の頃は昆虫少年で、よく近所の神社や畑で虫を取ったりしていたので虫は全然平気なのですが、今の子は小さい虫でも怖がりますね。
セミやカナブンも怖がるので残念無念。
さてさて、ゲノムが読まれている昆虫は、何らかの形で人間と関わりが深いものです。
産業的には害虫や益虫のゲノムが良く読まれ、医学的には危険な病気の宿主も読まれていると思います。外来種や環境に大きな影響を与えている虫もそうかな。
そんな中、害虫として読まれている例として、Rhyzopertha dominica がありました。
和名はコナナガシンクイムシ。この甲虫は貯穀害虫と言われていて、収穫後の穀物を食べる害虫だそうです。
アメリカではこの害虫を除去するために、収穫後にも大量の農薬を撒いていて、この農薬の量は半端ないそうですよ。
できるだけ農薬量を減らすために、この害虫の性質をゲノムから明らかにしようというニーズはあるそうです。
こういうところはアメリカのアグリ系・農薬系巨大企業がいかにもやっていそうですね。
ただ、一般的に昆虫はリピートが多いそうです。
PacBioで読んでCanuでアセンブリして、MiSeqなども加えてスキャフォルディングしたあと、Chicagoデータを加えて一気につなぐということをしていました。
もう一つはピュアサイエンスから。
100x100プロジェクト、って知っていますか?
私も初めて聞いたのですが、スタンフォード大学で進めている、ショウジョウバエ100系統を、1系統につき100匹ごと、ゲノムを読むという計画です。
すでにパイロット的に10~20系統くらい、PacBioとONTで読んでいるそうな。
ググっても出てこないのでもしかしたらまだ公開されていないアレかもしれません。
でも拡散OKの発表だったので、書きました。
さてさて、日本でもDovetail関係の問い合わせが最近増えてきました。
植物、哺乳類、昆虫、魚類、微生物・・・
もう少ししたら、公開できる結果が日本からも次々出てきますよ。
ゲノムアセンブリはまだまだ成長が期待される市場です、って実感したユーザーミーティングでした!
2017年7月10日月曜日
2017年7月7日金曜日
Dovetail Genomics ユーザーミーテイング報告 その3
さてDovetail Genomicsのユーザーミーティング報告、今回は動物に注目!
ゲノムを読む必要がある動物とはどんなものがあるのかな?
真っ先に思い浮かぶのが、畜産に重要なウシとかブタとかチキンとかですね。
その辺はもちろんゲノムプロジェクトが進んでいるのですが、今回報告するのは意外な生物とその意外な理由。
今40代の方は記憶にあるかもしれませんが、私が子供の頃毎週見ていたテレビ番組に、「わくわく動物ランド」というクイズ番組がありました。
そこで登場するのは主に野生生物。その中でも私は爬虫類が大好きだったのですが、今回のDovetialユーザーミーティングでも、爬虫類のゲノムには特に惹きつけるものがありました。
先ずは、アメリカンアリゲーター
フロリダ州の河に住む大型のワニです。
アメリカンアリゲーターの面白いところは、性の決定が卵の時の水温で決まるそうです。
摂氏33度ならオス、31度未満または35度以上ならメス、33度でもエストロゲン過多の環境ならメスが生まれるらしい。
ということは、オスとメスはゲノムが同じ。しかしオスは活動的なのに対し、メスはあまり動き回らず一か所にとどまる傾向があるそうです。
このように性決定が胚の時の温度で決まる生物はほかにもありますが、そのメカニズムは良く分かっていなかったそうで。
そこでゲノムを読んでそのメカニズムを明らかにしよう! というわけです。
論文はもうありますので詳細を知りたいひとはこちらからどうぞ
ところがこの研究、野生のアリゲーターの卵を取りたいということで、そのサンプル採取がとってもユニーク。
ヘリコプターでアリゲーターの巣に舞い降り、母親アリゲーターの目を盗んで卵を採取するというもの。
命がけらしい・・・。
さて、次の爬虫類は、Tuatara
これなんだかわかりますか?
ああ、あれね、とわかったひとはかなりの爬虫類通
ヒントはニュージーランドと恐竜
和名はムカシトカゲ
まだピンと来ませんか?
私が子供の頃、恐竜が好きだったのですが、その恐竜の生き残りとされている爬虫類です。
まあ、そのころはまだ、恐竜は鳥に近いなんてことはわかっていなかったので生き残りというのは言い過ぎですが。
でも今でも、生きた化石シーラカンスと並ぶくらい、ジュラ紀からほとんど進化していない生物と言われているそうです。
昔はニュージーランド全域に生息していたらしいが今はごく一部、気温16度~21度の環境に残るのみ。絶滅危惧種です。
すごいのは、100年~200年とみられるその長寿。
ゲノムサイズはヒトより大きく4.2Gbとみられています。
ゲノムを決定したら、その免疫機能や性決定のメカニズム(温度で決定される)、鋭い嗅覚の秘密、長寿の秘密、などを明らかにしていきたいとのこと。
哺乳類では、冬眠するリス。
冬眠状態に入ると、心拍数は200-300bpm→5-10bpm、代謝機能は1~3%に、呼吸数も1~3%に、体温も37度→4度へと著しく低下するらしい。
ゲノム配列は深いカバレッジで読まれているがフラグメント化されていて、もっと繋げる必要があったので、Dovetailで大きく改善させたとのこと。
これも面白い話だった。
でも何といっても、私が一番興味をひかれたのは、サンディエゴ動物園が行っているFrozen Zooプロジェクトの話。
動物園というのは、動物の展示以外にも、種の保護や絶滅が危惧される種を後世に残す使命がある、と。
確かにそうです。動物園の役割は昔とは違ってきているでしょう。
例えばアメリカンコンドルは、個体数が非常に少なくなっていて、近親交雑の結果重篤な遺伝病(chondrodystrophy)を発症することが知られているらしいです。
このような種を保存するにはゲノム解析が必須で、どこまで病気を予防して個体数を維持できるかが問われているそうです。
また、シロサイの亜種であるキタシロサイは、アフリカになんとたった3頭しか生存していない!
そしてもはや交配するには年を取りすぎていて、近く絶滅することが確実です。
そこでサンディエゴ動物園のFrozen Zooでは、キタシロサイの体細胞からiPS細胞を作製することに世界で初めて成功。そのiPS細胞の株を冷凍保存しています。
もちろんゲノムも読んでいます。
将来的にはそのiPS細胞からキタシロサイのクローンを作る計画とのこと。
一見SFのような話ですが、アメリカではこのようなプロジェクトにちゃんと予算が付いていて、キタシロサイクローンプロジェクトは実際に動いています。
これ以外にもFrozen Zoonでは、地球上の絶滅危惧種を1000種以上、計10,000個体から細胞を採取またはセルラインを作り、冷凍保存しているそうです。
現代版ノアの箱舟といった感じですね。
ゲノムを読む必要がある動物とはどんなものがあるのかな?
真っ先に思い浮かぶのが、畜産に重要なウシとかブタとかチキンとかですね。
その辺はもちろんゲノムプロジェクトが進んでいるのですが、今回報告するのは意外な生物とその意外な理由。
今40代の方は記憶にあるかもしれませんが、私が子供の頃毎週見ていたテレビ番組に、「わくわく動物ランド」というクイズ番組がありました。
そこで登場するのは主に野生生物。その中でも私は爬虫類が大好きだったのですが、今回のDovetialユーザーミーティングでも、爬虫類のゲノムには特に惹きつけるものがありました。
先ずは、アメリカンアリゲーター
フロリダ州の河に住む大型のワニです。
アメリカンアリゲーターの面白いところは、性の決定が卵の時の水温で決まるそうです。
摂氏33度ならオス、31度未満または35度以上ならメス、33度でもエストロゲン過多の環境ならメスが生まれるらしい。
ということは、オスとメスはゲノムが同じ。しかしオスは活動的なのに対し、メスはあまり動き回らず一か所にとどまる傾向があるそうです。
このように性決定が胚の時の温度で決まる生物はほかにもありますが、そのメカニズムは良く分かっていなかったそうで。
そこでゲノムを読んでそのメカニズムを明らかにしよう! というわけです。
論文はもうありますので詳細を知りたいひとはこちらからどうぞ
ところがこの研究、野生のアリゲーターの卵を取りたいということで、そのサンプル採取がとってもユニーク。
ヘリコプターでアリゲーターの巣に舞い降り、母親アリゲーターの目を盗んで卵を採取するというもの。
命がけらしい・・・。
さて、次の爬虫類は、Tuatara
これなんだかわかりますか?
ああ、あれね、とわかったひとはかなりの爬虫類通
ヒントはニュージーランドと恐竜
和名はムカシトカゲ
まだピンと来ませんか?
私が子供の頃、恐竜が好きだったのですが、その恐竜の生き残りとされている爬虫類です。
まあ、そのころはまだ、恐竜は鳥に近いなんてことはわかっていなかったので生き残りというのは言い過ぎですが。
でも今でも、生きた化石シーラカンスと並ぶくらい、ジュラ紀からほとんど進化していない生物と言われているそうです。
昔はニュージーランド全域に生息していたらしいが今はごく一部、気温16度~21度の環境に残るのみ。絶滅危惧種です。
すごいのは、100年~200年とみられるその長寿。
ゲノムサイズはヒトより大きく4.2Gbとみられています。
ゲノムを決定したら、その免疫機能や性決定のメカニズム(温度で決定される)、鋭い嗅覚の秘密、長寿の秘密、などを明らかにしていきたいとのこと。
哺乳類では、冬眠するリス。
冬眠状態に入ると、心拍数は200-300bpm→5-10bpm、代謝機能は1~3%に、呼吸数も1~3%に、体温も37度→4度へと著しく低下するらしい。
ゲノム配列は深いカバレッジで読まれているがフラグメント化されていて、もっと繋げる必要があったので、Dovetailで大きく改善させたとのこと。
これも面白い話だった。
でも何といっても、私が一番興味をひかれたのは、サンディエゴ動物園が行っているFrozen Zooプロジェクトの話。
動物園というのは、動物の展示以外にも、種の保護や絶滅が危惧される種を後世に残す使命がある、と。
確かにそうです。動物園の役割は昔とは違ってきているでしょう。
例えばアメリカンコンドルは、個体数が非常に少なくなっていて、近親交雑の結果重篤な遺伝病(chondrodystrophy)を発症することが知られているらしいです。
このような種を保存するにはゲノム解析が必須で、どこまで病気を予防して個体数を維持できるかが問われているそうです。
また、シロサイの亜種であるキタシロサイは、アフリカになんとたった3頭しか生存していない!
そしてもはや交配するには年を取りすぎていて、近く絶滅することが確実です。
そこでサンディエゴ動物園のFrozen Zooでは、キタシロサイの体細胞からiPS細胞を作製することに世界で初めて成功。そのiPS細胞の株を冷凍保存しています。
もちろんゲノムも読んでいます。
将来的にはそのiPS細胞からキタシロサイのクローンを作る計画とのこと。
一見SFのような話ですが、アメリカではこのようなプロジェクトにちゃんと予算が付いていて、キタシロサイクローンプロジェクトは実際に動いています。
これ以外にもFrozen Zoonでは、地球上の絶滅危惧種を1000種以上、計10,000個体から細胞を採取またはセルラインを作り、冷凍保存しているそうです。
現代版ノアの箱舟といった感じですね。
2017年7月5日水曜日
Dovetail Genomics ユーザーミーテイング報告 その2
Dovetailのヘビーユーザーさんたちは、どんな生物のゲノムをシークエンスしているのでしょうか?
となりのゲノムシークエンス、気になりますよね。
発表内容はあまり詳しく公開できないので、サマリー的なこと、私が個人的に「へー」って思ったことを書きます。
【植物】
さすが農業大国アメリカ。農産物は大概ゲノムを読まれています。
といっても難しいゲノムはあるわけで、今回発表があったのは、レタスとかピスタチオ、ブドウなどの2倍体がメイン。
レタスはそうとうしっかり読まれています。PacBioを使ってコンティグを作り、Dovetail ChicagoとHi-Cを使ってスキャフォルドを伸ばし、10Xを使ってフェージング、連鎖解析できれいに仕上げる。
先日のDovetailウェビナーにも登場した、UC Davisの Dr. Richard Michelmoreは、本当にゲノム読むのが好きだそうで、すごい楽しそうに発表していました。
ブドウといえばワイン。先日もFalcon Unzip の記事で書きましたが、UC Davisの Dr. Dario Cantu によるカベルネ・ソーヴィニョンのゲノムアセンブリの話。
この品種はF1品種だということは先日のブログでも書いた通りです。
ちなみに白ブドウのChardonnay(シャルドネ)はPinot Noir(赤ワイン用でも超有名)とGouais blanc(白)の掛け合わせF1品種。知っていたアナタは相当ワイン通です。
さて、ワイン用のブドウは他の農産物と違って、新品種を作ることはあまりしないらしい。昔から同じ品種を接ぎ木でクローンを作って増やしている。
なぜか?
それは、ワインというのは、世界中で共通して、名前で売れる商品だからです。
どんなに素晴らしい品種を新たに作っても、全世界のマーケットに浸透させるには莫大な手間とコストがかかる。
じゃあゲノムを読む必要は無いんじゃないか? と思ったんですが、クローンでも産地によってゲノムはだんだん異なってくるので、香りとか環境ストレス耐性とかに関係する遺伝子を知ることは、クローンごとの特徴を明らかにするためとても大事らしいです。
ちなみにDarioさんは数年前、新婚旅行に東京と京都に来たほど日本が大好き。
話していて楽しいひとでした。
倍数体のゲノムはどうでしょう?
これはPlant Animal Genomics学会でも発表がありましたが、倍数体にもモデル生物はあります。
Brachypodium hybridum という草は、異質4倍体 (2n=30, 509Mb)。
これはB. distachyon (2n=10, 272Mb) と B. stacei (2n=20, 234Mb) という2つの2倍体の種が進化の過程で合体?して4倍体になったらしいです。
この辺は発表者のDr. John Vogel の論文で詳しく書かれています。
ゲノムをアセンブリする際に、Meraculousというアセンブラーを使っています。
これはDovetail社でドラフトアセンブリする際にも使われているDiploid awareなアセンブリです。
さて、次回は哺乳類など。
お楽しみに
となりのゲノムシークエンス、気になりますよね。
発表内容はあまり詳しく公開できないので、サマリー的なこと、私が個人的に「へー」って思ったことを書きます。
【植物】
さすが農業大国アメリカ。農産物は大概ゲノムを読まれています。
といっても難しいゲノムはあるわけで、今回発表があったのは、レタスとかピスタチオ、ブドウなどの2倍体がメイン。
レタスはそうとうしっかり読まれています。PacBioを使ってコンティグを作り、Dovetail ChicagoとHi-Cを使ってスキャフォルドを伸ばし、10Xを使ってフェージング、連鎖解析できれいに仕上げる。
先日のDovetailウェビナーにも登場した、UC Davisの Dr. Richard Michelmoreは、本当にゲノム読むのが好きだそうで、すごい楽しそうに発表していました。
ブドウといえばワイン。先日もFalcon Unzip の記事で書きましたが、UC Davisの Dr. Dario Cantu によるカベルネ・ソーヴィニョンのゲノムアセンブリの話。
この品種はF1品種だということは先日のブログでも書いた通りです。
ちなみに白ブドウのChardonnay(シャルドネ)はPinot Noir(赤ワイン用でも超有名)とGouais blanc(白)の掛け合わせF1品種。知っていたアナタは相当ワイン通です。
さて、ワイン用のブドウは他の農産物と違って、新品種を作ることはあまりしないらしい。昔から同じ品種を接ぎ木でクローンを作って増やしている。
なぜか?
それは、ワインというのは、世界中で共通して、名前で売れる商品だからです。
どんなに素晴らしい品種を新たに作っても、全世界のマーケットに浸透させるには莫大な手間とコストがかかる。
じゃあゲノムを読む必要は無いんじゃないか? と思ったんですが、クローンでも産地によってゲノムはだんだん異なってくるので、香りとか環境ストレス耐性とかに関係する遺伝子を知ることは、クローンごとの特徴を明らかにするためとても大事らしいです。
ちなみにDarioさんは数年前、新婚旅行に東京と京都に来たほど日本が大好き。
話していて楽しいひとでした。
倍数体のゲノムはどうでしょう?
これはPlant Animal Genomics学会でも発表がありましたが、倍数体にもモデル生物はあります。
Brachypodium hybridum という草は、異質4倍体 (2n=30, 509Mb)。
これはB. distachyon (2n=10, 272Mb) と B. stacei (2n=20, 234Mb) という2つの2倍体の種が進化の過程で合体?して4倍体になったらしいです。
この辺は発表者のDr. John Vogel の論文で詳しく書かれています。
ゲノムをアセンブリする際に、Meraculousというアセンブラーを使っています。
これはDovetail社でドラフトアセンブリする際にも使われているDiploid awareなアセンブリです。
さて、次回は哺乳類など。
お楽しみに
2017年7月4日火曜日
Dovetail Genomics ユーザーミーテイング報告 その1
今日は少し、Dovetailのユーザーミーティングに参加した報告をしたいと思います。
時々PacBioの話題も出てきますよ。
開催された場所は、カリフォルニア州サンタクルーズにあるリゾートホテル。
海外の会社はユーザーミーティングを、ホテルに泊まり込みで2日間とかで行うことが多いですね。
前日は夜にレセプション。初めて会う人がほとんどなので、お酒の力で先に何人かと仲良くなっておくことは良いことです。日本でもやったらいいかも。
ホテルは街の中心からは離れていて、森があったりして自然豊か!
当日は朝食をみんなで一緒にとってから、9時から開始。
そうです。2日間みんなと共同生活なんです。
でもそこはアメリカ人。皆さん時間には自由です。
10名くらいのユーザから、いろいろな研究・プロジェクトの発表がありました。
皆さん、Dovetailを使ってはいますが、それ以外のテクノロジーも当然試しているわけで、多かった順にあげると、
10Xのランニングコストが安いというのは、恥ずかしながら知らなかったのですが、アメリカの非モデル(特に植物)ゲノムアセンブリ業界?では、とりあえず安いから10X試す、というのが定石らしいです。レタスゲノムの先生もそう申しておりました。
ユーザーミーティングでどんな発表があったのか。
続きは「その2」をこうご期待!
時々PacBioの話題も出てきますよ。
開催された場所は、カリフォルニア州サンタクルーズにあるリゾートホテル。
海外の会社はユーザーミーティングを、ホテルに泊まり込みで2日間とかで行うことが多いですね。
前日は夜にレセプション。初めて会う人がほとんどなので、お酒の力で先に何人かと仲良くなっておくことは良いことです。日本でもやったらいいかも。
![]() |
| 準備しているのはロジ担当のニッキー 後ろではもう飲みが始まっている(時刻は午後7時くらい?) |
| わかりにくいけどホテルの一部 この先200m歩いていくと会場がある。 同じホテル内なのにめちゃ広い |
| ホテルの裏にある、自由すぎるハイキングコース |
| 野ウサギも普通にいるほど自然豊か |
そうです。2日間みんなと共同生活なんです。
でもそこはアメリカ人。皆さん時間には自由です。
| 会場のテーブルはこの形 |
![]() |
| Dr. Ed Greenによる発表 彼はDovetailのFounderのひとり |
皆さん、Dovetailを使ってはいますが、それ以外のテクノロジーも当然試しているわけで、多かった順にあげると、
- イルミナショットガン (これは当たり前というか、みんなドラフトでやっていた)
- PacBio RSII(発表者のほぼ全員が使用。Sequelデータはまだ登場せず。これからでしょうね)
- 10X(価格が安いからとりあえず10Xで試してみるという意見が多かった)
- MinION(最近使ってみた、という発表が1人)
- BioNano(発表では無かったけれどQ&Aの時に話したひとが1人)
10Xのランニングコストが安いというのは、恥ずかしながら知らなかったのですが、アメリカの非モデル(特に植物)ゲノムアセンブリ業界?では、とりあえず安いから10X試す、というのが定石らしいです。レタスゲノムの先生もそう申しておりました。
ユーザーミーティングでどんな発表があったのか。
続きは「その2」をこうご期待!
2017年7月3日月曜日
PacBioが存在感を見せた! 今年の国際ゲノム会議
先週、6月27日から29日までは、2年に一度の国際ゲノム会議がありました。
この「会議」は、いわゆる学会(200~300人くらい?)で、ゲノム関係の学会としてはコンパクトにまとまっていて、テクノロジーとサイエンスが半々くらいのワークショップ、という感じがします。
この業界のそうそうたる先生方が参加されるので、出展する企業側としても効率良く営業活動ができる。
アカデミアの発表は、ポスターも含め、今年はPacBioのロングリードが目立っていましたよ。
確実に2年前よりも、ロングリードを使ったゲノム解析、メタゲノム解析、メディカルへの応用などの発表が増え、存在感が大きくなってきた気がします。
トミーデジタルバイオロジーからは、招待講演者としてMount SinaiのDr. Bobby Sebraを呼び、
Emerging Long Read and Single Cell Genomics Toward
Highly Resolved Medical Genomics and Clinical Research
という内容で、彼らが実際にラボで行っている、ロングリードを使ったクリニカルアプリケーションへの試みを中心に話してもらいました。
また、テクノロジーセミナーでは、PacBioのCSO、Jonas KorlachがSMRTテクノロジーの今の使われ方と他のテクノロジーとの比較、今後の方向性について発表しました。
この話は先日のウェビナーとほぼ同じです。
聞きたい、というかたは録画したリンクをお伝えしますのでお知らせください。
アカデミアからの発表でも、ゲノムのメチレーションをPacBioで読んだという話や、セントロメア領域を読んでいるという話、ゲノムのリピート部位をロングレンジでキャプチャーするという話がありましたが、そんな中、ベストポスター賞を取ったのもPacBioを使った発表でした。
東京大学の西嶋傑さんは、PacBioのSMRTシークエンスを使って、Gut Microbiome のメタゲノム解析を発表され、見事ベストポスター賞を受賞されました!
論文投稿中ということで、ここでは内容には触れませんが、これはまさにPacBioだからこそできた研究です。
Jonas(PacBioのCSOのことですね)も、とっても喜んでいました。
さて、この勢いを保ったまま、今年も後半戦。
頑張っていきます!
2017年6月15日木曜日
New Maize Reference Genome 出た!
問題です!
世界三大穀物といえば、コムギ、コメ、そしてトウモロコシですが、
このうち、一番生産量が多いのはどれ?
正解はトウモロコシ
アメリカ農務省のレポート「World Agricultural Supply and Demand Estimates 2017年6月版」によると、2015/2016年確定値では全世界の生産量は、
コムギが 7億3700万トン
コメが 4億7200万トン
トウモロコシはなんと、9億6800万トン(2016/2017年推定値は10億6700万トン!)で断トツ1位。
うちアメリカは3億4600万トンを生産し世界一。
そのほとんどを国内で消費し、4800万トンを輸出しているらしい。
輸出量もアメリカが世界一(2016/2017年推定値は5600万トンだそうです)。
余談ですがこの報告書は、世界最大の農業大国アメリカが、世界の主要農産物についてまとめた統計報告みたいです。私も検索していて見つけたのですが、非常に細かくて驚きました。
もう一つ、日本語のサイトとしては、農畜産業振興機構の海外現地報告がとても情報量豊富です。
トウモロコシではここの「米国におけるトウモロコシ生産の現状」が読んでいて面白かった。
アメリカ国内で、トウモロコシはそれまで飼料用途が一番多かったが、2005年ごろからバイオエタノール用途が急増(法律で一定以上のバイオエタノールを販売することを石油販売業者に義務つけられたため)、今は飼料用とエタノール用が同じくらいらしい。
後はスターチ、食用ですね。でもこれらはほんのわずか(10%未満)。
前置きが長くなりましたが、トウモロコシゲノムが新たに解読され、前のリファレンスよりかなり改善されたバージョン4が、Natureに発表されました。
Improved maize reference genome with single-molecule technologies
これはもちろん、PacBioを使って読んでアセンブリした素晴らしい成功例です。
RSIIのときの仕事です。
B73系統のゲノムDNAは15kb~40kbにシェアリングされ、20kbプロトコルでライブラリ作製。
試薬はP6C4を使用し、6時間Movieでシークエンス。
65カバレッジ分のデータを得て、FalconとPBcR+MHAPのアセンブラーでパラメータを変えながらいくつかアセンブルをしている。
得たコンティグは、Irys(BioNano)のオプティカルマッピングデータに合わせて、スキャフォルディング。
さらにBACデータも使用してPseudomoleculeを作っている
出来たScaffoldのギャップは、もちろんPacBioのロングリードでできるだけ埋めている(PBJelly)。
この仕事の凄いのは、コンティグN50をこれまでの52倍長くしてメガベースにしたのもさることながら、連続配列として、トータル1.2Gbのレトロトランスポゾンの存在を明らかにしたこと。
その約半数は、他のトランスポゾンの中に挿入された「入れ子」状であったという。
これは私の想像ですが、トランスポゾンって、案外ランダムに入るわけでは無いのかもしれませんね。
一度入ったトランスポゾンの中にわざわざ入り込んで、その働きを邪魔するトランスポゾンがあったりして。
何のためか、はわかりませんよ。
ただひとつ、このゲノムプロジェクトで残念なのは、DovetailのChicagoやHi-Cを使っていないこと。
これらを使えばもっと早く結果が出ていたかもしれないし、宣伝に使えたのに(はい、私の都合です)。
この仕事、論文になる前にPacBioとBioNanoのケーススタディとして昨年公開しています。
こちらからダウンロードできるので是非どうぞ。
世界三大穀物といえば、コムギ、コメ、そしてトウモロコシですが、
このうち、一番生産量が多いのはどれ?
正解はトウモロコシ
アメリカ農務省のレポート「World Agricultural Supply and Demand Estimates 2017年6月版」によると、2015/2016年確定値では全世界の生産量は、
コムギが 7億3700万トン
コメが 4億7200万トン
トウモロコシはなんと、9億6800万トン(2016/2017年推定値は10億6700万トン!)で断トツ1位。
うちアメリカは3億4600万トンを生産し世界一。
そのほとんどを国内で消費し、4800万トンを輸出しているらしい。
輸出量もアメリカが世界一(2016/2017年推定値は5600万トンだそうです)。
余談ですがこの報告書は、世界最大の農業大国アメリカが、世界の主要農産物についてまとめた統計報告みたいです。私も検索していて見つけたのですが、非常に細かくて驚きました。
もう一つ、日本語のサイトとしては、農畜産業振興機構の海外現地報告がとても情報量豊富です。
トウモロコシではここの「米国におけるトウモロコシ生産の現状」が読んでいて面白かった。
アメリカ国内で、トウモロコシはそれまで飼料用途が一番多かったが、2005年ごろからバイオエタノール用途が急増(法律で一定以上のバイオエタノールを販売することを石油販売業者に義務つけられたため)、今は飼料用とエタノール用が同じくらいらしい。
後はスターチ、食用ですね。でもこれらはほんのわずか(10%未満)。
前置きが長くなりましたが、トウモロコシゲノムが新たに解読され、前のリファレンスよりかなり改善されたバージョン4が、Natureに発表されました。
Improved maize reference genome with single-molecule technologies
これはもちろん、PacBioを使って読んでアセンブリした素晴らしい成功例です。
RSIIのときの仕事です。
B73系統のゲノムDNAは15kb~40kbにシェアリングされ、20kbプロトコルでライブラリ作製。
試薬はP6C4を使用し、6時間Movieでシークエンス。
65カバレッジ分のデータを得て、FalconとPBcR+MHAPのアセンブラーでパラメータを変えながらいくつかアセンブルをしている。
得たコンティグは、Irys(BioNano)のオプティカルマッピングデータに合わせて、スキャフォルディング。
さらにBACデータも使用してPseudomoleculeを作っている
出来たScaffoldのギャップは、もちろんPacBioのロングリードでできるだけ埋めている(PBJelly)。
この仕事の凄いのは、コンティグN50をこれまでの52倍長くしてメガベースにしたのもさることながら、連続配列として、トータル1.2Gbのレトロトランスポゾンの存在を明らかにしたこと。
その約半数は、他のトランスポゾンの中に挿入された「入れ子」状であったという。
これは私の想像ですが、トランスポゾンって、案外ランダムに入るわけでは無いのかもしれませんね。
一度入ったトランスポゾンの中にわざわざ入り込んで、その働きを邪魔するトランスポゾンがあったりして。
何のためか、はわかりませんよ。
ただひとつ、このゲノムプロジェクトで残念なのは、DovetailのChicagoやHi-Cを使っていないこと。
これらを使えばもっと早く結果が出ていたかもしれないし、宣伝に使えたのに(はい、私の都合です)。
この仕事、論文になる前にPacBioとBioNanoのケーススタディとして昨年公開しています。
こちらからダウンロードできるので是非どうぞ。
2017年6月4日日曜日
カベルネソーヴィニヨンのアセンブリでFalcon‐Unzipを知ろう!
皆さんワインは飲みますか?
赤ワイン、白ワイン、私は正直あまり詳しくありません。
飲みやすさと香りで、あとは価格で選んでしまいます。
でもメルローやシャルドネ、という名前を聞いたことはありました。
これらはブドウの品種です。
同じように現在世界中で広く栽培されているブドウ品種に、カベルネ・ソーヴィニョンというものがあります。
これは Sauvignon Blanc という白ブドウと、Cabernet Franc という黒ブドウ品種のF1だそうです。
F1なので、そのゲノムはとてもヘテロ性が高いことが想像できます。
このゲノムをPacBioで読んで、アセンブリした例があります。
PacBioのCase Studyにも紹介されているし、私も何度かこの話題をセミナーなどで紹介しているので聞いたことがあるひともいるでしょう。
ヘテロ性が高い、ということでアセンブラーには Falcon unzip が使われました。
論文はフリーでここから全文がとれます。
Falcon unzipのコンセプトが説明されているので、二倍体ゲノムのアセンブリを考えているひとはまずチェック!
いきなりFalcon unzipの論文に行くよりも敷居が低いと思います。
そしてワインについても勉強できる。知ったかぶりできる、良いペーパーだと思いますよ。
では、次からカベルネ・ソーヴィニョンを飲むときがあったら、ヘテロ性とアセンブリの関係を考えることにしましょう!
赤ワイン、白ワイン、私は正直あまり詳しくありません。
飲みやすさと香りで、あとは価格で選んでしまいます。
でもメルローやシャルドネ、という名前を聞いたことはありました。
これらはブドウの品種です。
同じように現在世界中で広く栽培されているブドウ品種に、カベルネ・ソーヴィニョンというものがあります。
これは Sauvignon Blanc という白ブドウと、Cabernet Franc という黒ブドウ品種のF1だそうです。
F1なので、そのゲノムはとてもヘテロ性が高いことが想像できます。
このゲノムをPacBioで読んで、アセンブリした例があります。
PacBioのCase Studyにも紹介されているし、私も何度かこの話題をセミナーなどで紹介しているので聞いたことがあるひともいるでしょう。
ヘテロ性が高い、ということでアセンブラーには Falcon unzip が使われました。
論文はフリーでここから全文がとれます。
Falcon unzipのコンセプトが説明されているので、二倍体ゲノムのアセンブリを考えているひとはまずチェック!
いきなりFalcon unzipの論文に行くよりも敷居が低いと思います。
そしてワインについても勉強できる。知ったかぶりできる、良いペーパーだと思いますよ。
では、次からカベルネ・ソーヴィニョンを飲むときがあったら、ヘテロ性とアセンブリの関係を考えることにしましょう!
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