2014年7月24日木曜日

いまさらですが、復習 PacBioの特長とは?


梅雨が明けたら猛暑
そんな時は、アイスです!
私がジャイアントコーンの次に好きなアイスは雪見だいふくなんですが、これのレシピが公開されているんです!
ここ
早速作ってみよう! と思ったけれども、もちが無い。 
近所のCoopにも、無い。
イオンまで行くのは面倒だな、と思っていたら余計食べたくなったので、さっきコンビニで買ってきてしまいました。 雪見だいふくを。 いったい俺は何をしているのか。
・・・ ぜんぶ雪のせいだ (若干古い)


さて、突然ですが、PacBioシークエンスの特長といえば何でしょう?

横幅2mとか、重さ1トンあるとか、高純度の窒素ガス使うとか、そのあたりは見た目ですね。

DNA合成をリアルタイムで観察できるとか、増幅無しで一分子で読むとか、C3とかのケミストリーを思いつきますか?

それとも、直径50nmの超小型ウェル・ZMWや、15万のウェルにピンポイントでレーザーを照射する、光学機械系を思い浮かべますか?

解析サイドからいうと、以下の3つが大きいと思います。

  1. どのゲノムもほぼまんべん無く読めること (読めない配列、というのが(多分)無い)
  2. エラーがランダムに入るのでコンセンサスの精度が極めて高いこと
  3. どのシークエンサーよりも長く読めること 

1は、良く言われる、GCバイアスが無い、ということと同意義です。
(GGC)n の連続配列も問題なく読めます。
読み取る直前に増幅しないので、テンプレート通りに読み進むことができます。
(多分)と書いたのは、理論上は読めない配列は無い、と思うけれど、実際リード長を超える長さのリピートがあった場合、それを確かめる方法が無いから。

何を言っているかというとですね、何でも良いのですがリピートが100kb連続していたとします。
PacBioは最高でも30kbくらいですから、100kbのうちのどこか、本当は読めていない配列があったとしてもわからない、確かめようがないからです。

営業的には、「読めない配列は無い!」と言い切りたいのですが、そう言うと、上記のような突っ込みが入るかもしれないので、最初から断っておきました。

2は、これも、理論的にはランダムにエラーが入ると言われています。
しかーし、
ユーザからは、「ランダムではないよ」、という声も実はあったりする。
まだ、ポスターや論文になっていないので詳しくはNGですが、もしそうなら、インパクトあるかもしれませんね。
でも、そのような発表があるまでは、「エラーはランダムです!」 ということに。

ランダムエラーだから、カバレッジを重ねたときのコンセンサス精度は99.999%に達する。
たいていのバクテリアゲノムアセンブリで、これくらいの精度にはなると思います。

3は今さら言うまでも無いですね。
平均リード長 8,500bp
N50リード長 10,000bp超
最長 30,000bpくらい

です。

これだけ長ければ、リボソームリピートやトランスポゾンをまたぐことは普通ですよ。



ここで、メーリングリストのお知らせです。

Plant and Animal ゲノムのメーリングリストがオープンしました。ここから


時代はバクテリアのその先へ!
ということなのでしょうかね。
大型真核生物のゲノムアセンブリはPacBioをもってしても、チャレンジングなフィールドです。
ここに登録すれば、定期的に有益な情報が得られるかも?


2014年7月23日水曜日

HiSeq X Ten がんばる

以前、私のブログにも登場した、HiSeq X Ten
最初は何て読むのかなと思っていましたが、ハイセック・テンでいいみたいです。
ヒトゲノムリシークエンスに特化したHiSeqを、10台でセットにしたシステムです。

今、どこに入っているのかなーとウェブで調べてみたら、このサイトにまとまっていました。

  • Broad Institute (Cambridge, MA, USA)
  • deCODE Genetics (Reykjavik, Iceland)
  • Garvan Research Foundation (Sydney, Australia)
  • Human Longevity, Inc. (San Diego, CA)
  • MACROGEN (Seoul, South Korea)
  • New York Genome Center (New York, NY, USA)
  • Novogene (Beijing, Chaina)
  • Sanger Institute (Hinxton, UK)
  • WuXi Pharma Tech (Shanghai, China)
なんともう9システムも!
中国は2箇所で導入していますね。どちらも企業というのが驚きです。
韓国も企業です。

オーストラリアのGarvan研究所は、1週間に350ゲノム、年に18,000ゲノムを読むことができる、と書いています
実際、10台のHiSeqXから出力されるデータは3日間で1.8Tb
1日で30カバレッジのヒトゲノム解析を可能にしたと、イルミナ社のドキュメントには書いてあります。

どんなところが買うのかなーと注目していたのですが、やはり大きな研究所は買っていますね。
Human Longevity, Incという会社は、あのDr. Craig Venterが共同設立者で、ヒトゲノムを年間10万人分読むという計画の下、HiSeq X Tenシステムを2システム、導入するそうです

このシステムの特徴は、ヒトゲノム専用機械だということ。
ヒト以外のいろんな生物のゲノムアセンブリや、ヒトでもExomeやRNA-Seqなどには使用出来無いという制限があるそうです。

さて、次にこのシステムを買う研究所は、中東、カタールのSidra Medical and Research Centerです。
アラブ人のヒトゲノムデータベースをそろえるのでしょうか。
世界各地で今やホールゲノムシークエンスブームですね。

そんな中、「1000ドルゲノムが可能に!」 というキャッチフレーズは、個人的には嫌いです。

先のドキュメントには、「システム償却費、シーケンス消耗品、DNA抽出、サンプル調整、そして典型的なハイスループットゲノムラボにおける人件費(予測)を含めて1000ドルゲノムを可能にしました」
とあるんですが、「償却期間および人件費は機関の会計基準およびリソースによって異なります」
とも書いてある。

恐らく、国内営業的には、日本の会計基準に合わせ、日本の試薬コストや人件費を考慮して、プレゼンをしているのでしょう。
そうすると余計、1000ドルゲノムを達成するには、十数億円の投資を考えると、フルに動かしても4、5年はかかるのでしょうか?

アメリカでの試算がここにあります。
これによると1000ドルゲノムを達成するには4年間で72,000サンプルをフルに読む必要がある。
72Mドル・・・・・
システムが10Mドルとすると、ランニングコストが67Mドル
そこに人件費、光熱費、試薬代、すべてが含まれます。

ここで言う1000ドルゲノムには、データストレージ、解析サーバ類は含まれません。
結構なデータ量になりますよね。


何かこう、最近の「1000ドルゲノム」とは、言葉遊び、数字のトリック、が氾濫している気がするんです。
もっと良い指標は無いものか、と思うしだいです。


2014年7月20日日曜日

コスト比較は気をつけよう

1週間に1度、更新するつもりが、6月に1回書いてからもう7月も後半!
何と! 一日のページビューが100を下回っていたことに気がついたので慌てて書くことに。
言い訳すると、最近Twitterにはまってまして。
そっちで誰かのをリツイートして満足していました。

さて、先週の金曜日、「164委員会」という会員制セミナーで、各シークエンサーメーカーや機器メーカーを集めたNGSセミナーがありました。
残念ながら私は参加せず、別の者がPacBioの紹介を。

聞くところによると、PacBioのコストに関する質問が出たそうな。
「ヒトゲノム50xのデータをPacBioで出すのに、いくらかかるか?」

まあ、この手の質問は良くあるんですが、HiSeqやProtonのコストと比較するのはナンセンス、とまでは言わないけれど気をつけなくてはいけなんです。
これを読んでいるひとは何となくわかると思いますが、目的が違う。

ヒトゲノムを
PacBioで50x読んだら、デノボアセンブリ ができる
HiSeqで50x読んだあとは、リシークエンス 

ヒトゲノム(に限らずギガbp単位のゲノム)をデノボアセンブリしようとするのは、はっきり言って、大型プロジェクトですよ。
ワシントン大学のCHM1ヒトゲノム57xも、いろんな研究所との共同研究。
そして彼らのアセンブリサイズは3.25Gで、今までの2.83Gより長かった。
ということは今まで読めていなかったところが結構あったということ。
リファレンスゲノムを疑って、今まで読めなかったところを読む、そういうチャレンジングな目的で使うのです。
(リファレンスゲノムを信じて、それにマッピングして例えばSNPを見つけようというのであれば、ショートリードを選んでください。)

ワシントン大学がやっている同じことをPacBio無しでやろうとすると、NGS用に何種類もライブラリ作って、BACやFosmidも用意して・・・と、膨大な手間と時間とカネがかかってしまう。
ヒトゲノムプロジェクトをやり直すわけですから。
少なくともそのかなりの予算をPacBioに与えれば、大分時間が節約できるでしょうね。

と、まあ具体的金額に触れずに書いてきましたが、現実的なコストで言うと、3Gbの50xカバレッジで1000万円~2000万円と言ったところでしょう。
1000万も幅があるのかよ!
と突っ込みを入れられそうですが、ライブラリのクオリティが良いか、とか、腕がうまいかどうかとか、いろいろ条件があるので一概にいくら、と保証できる数字は書きません。
これに、試薬やキットに含まれない、周辺機器を使うコスト、人件費、光熱費その他、がかかります。

シークエンスにかかる時間は、3時間Movieを8個のSMRT Cellで24時間+試薬調整、ベースコールや転送にかかる時間も混みこみで+4時間=28時間
これを50回分ランするとして、1400時間
単純に24で割るとおよそ59日
実際は土日や深夜に出てきたくないから、3ヶ月くらい?

このコストと時間を、リシークエンスだけに費やそうというのは、結構贅沢です。
どうしても他のテクノロジーでは読めない部分を読みたい、という強いモチベーションと資金が必要ですね。
とりあえず全ゲノム読んでみよっか? みたいな使い方はできません。


できることが違うのだから、同じ条件で比較しても、見ているのは全体のほんの一部。
イタリアのスーパーカー・フェラーリと、日本のハイブリッドカー・プリウス。
前者の売りはラグジャリーとステイタス、後者の売りは環境と安全性能。
同じ車でも、燃費で比較するひとはいませんよね。
(ちょっと違うかな?)


NGSを比べるとき、「Gbあたりのコスト」って、良く目にしません?
たいていHiSeq2500が圧倒的にコストが安く、書かれているんですよね。
でも今度からは、Oxford Nanoporeも参加しますよ。 
彼らのPromethION は、2000 channelsから、 毎分1Gb出すそうですからね(https://twitter.com/mason_lab/status/479763895238672384)。

Oxford Nanoporeの話はまた今度するとして、コストの比較を書くとき、こんなのはどうだろう?
「1000bp以上のリードに限ったときのGbあたりのコスト」
これなら当面、PacBioひとり勝ち。相手はSangerくらいですから。
Moleculoがあるって? なーるほど。 でもキット・試薬はいくらかかるんでしょう。





2014年6月23日月曜日

PacBio アメリカ東海岸ユーザーミーティングから

私は参加していませんが、メリーランド大学にて先週、東海岸ユーザーミーティングがありました。
毎年アメリカでは、東海岸と西海岸で1回ずつ、ユーザーミーティングを行っています。
今年の東海岸はとても盛り上がったそうです!

あの有名なBio.IT World というE-雑誌にその様子が載っています。

PacBio Users Share New Tools and Applications at Meeting in Baltimore

今日はこの記事からの翻訳&引用です。 訳が変なこともあるので、英語に自信があるひとは上のリンクを直接読んでくださいね。

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スクラッチからホールゲノムへ

SMRT シークエンスによって一番大きく進歩した分野は何といってもデノボアセンブリでしょう。
「一年前の論文ではまだ、PacBioを使ってのデノボアセンブリのメソッドが、テーマに書かれていました。 現在は、実際にたくさんの成果が出てきています」
と、Business Development部長のLuke Hickeyは言います。

ショートリードテクノロジーはほとんどがリファレンスゲノムの配列に影響するのに対し、ロングリードはスクラッチからのゲノム再構成をとても楽にします。
メリーランド大学のLuke Tallon氏は、E.coliゲノムを、ギャップの無い完全なContigを完成させるために必要とされる最低ロングリード長は、5Kbから7キロKbであることを見つけました。
この長さは今のPacBio最新試薬をもってすれば何でもありません。
リードの半分は10Kbを出力するからです。
デノボアセンブリは、構造変異検出に必須です。これはリファレンスに頼るアセンブリ方法ではできません。

Tallon氏らのグループは、NCBIのGenbankに登録されている疾患・治療に関係する微生物ゲノムの再解析を、PacBioを使って読んでいます。
最初に読んだStaphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)50サンプルでは、彼らは32のサンプルについて1本のContigにすることができ、ゲノム解析を一層簡単に進めることができました。
彼らは現在、550種類の異なる微生物ゲノムを解読するプロジェクトを進行中です。

Tallon氏らの仕事は、微生物学者の仕事を楽にするかもしれませんが、PacBioシークエンサーをもっとアクティブに使っているユーザもいます。
国立ヒトゲノム研究所のSean Conlan氏は、carbapenem-resistant Klebsiella pneumoniae(カルバペネム系抗生物質耐性肺炎桿菌)のアウトブレイク研究について報告しました。
他のアウトブレイク同様、これも発生源や感染経路が複雑で、数十種類のPlasmidを持ち、うち2つはcarbapenem-resistantの遺伝子を持つ、という厄介ものでした。

異なる患者から単離した、バクテリアとPlasmidの関係性をトレースするため、染色体とPlasmidのキーとなる配列部位を確実に読むため、十分なカバレッジを担保しつつ、大量のサンプルを読まなければいけませんでした。
PacBioシークエンサーは、これらPlasmidと染色体ゲノムを完全に読み終え、アウトブレイクをトレースするのに十分なデータを提供しました。
現在は、ショートリード、ターゲットPCR、オプティカルマッピング、といった他の技術も取り入れ、データの精査をしているところです。

Conlan氏は、今までのリファレンス配列を覆すかも知れないと信じています。 特に抗生物質耐性のPlasmidにある繰り返し配列など、複雑な配列についてです。
「この精度のデータを手に入れたなら、あなたの見ているリファレンスは間違っているかもしれない、とあなたは疑うことでしょう」


ヒトゲノムへ

バクテリアやアーキアのようなスモールサイズなHaploidゲノムアセンブリは、もちろんPacBioの得意とするところですが、私たちのユーザはもっと複雑な生物のゲノムシークエンスに興味をシフトしています。
これまでも、ハエ、ホウレンソウ、ヤギ、そしてヒトを読み、そのデータも公開されてきました。
ヒトゲノムのデノボアセンブリは、これまで普通に行われてきたRiference-guidedのリシークエンスよりも、得られる情報は多いはずです。
コールドスプリングハーバー研究所の遺伝学者、Richard McCombie氏曰く、「ヒトゲノムのリシークエンスは、3,000ドルかければIllluminaマシンでホールゲノムを読めてしまう。その点においてはすばらしい。しかしIlluminaではいくつかの構造変異情報は失われるし、いくつかのゲノム箇所は読めない」

PacBioシークエンサーによるヒトゲノムプロジェクトで興味をそそるものと言えば、ワシントン大学ゲノム研究所で行われているものでしょう。 (このブログでも以前登場)
妊娠時に精子のゲノムだけが胚に移ったという、非常に稀な、Haploidタイプのヒトゲノムです。
このゲノムをPacBioで大量に読んだ結果、今のリファレンスで粗く読まれている場所について、たくさんの改善が見られました。
このサンプルのアセンブリ結果は、N50が4Mbpに達し、この数字は今まで読まれたヒトゲノムのなかで最長の長さです。
ワシントン大学のTina Graves-Lindsay氏は、このアセンブリ結果をリファレンス配列に反映させる仕事の最中であると発表しました。
Haploidサンプルの情報は、Diploidゲノムではアレル間の複雑な構造多型のためにアセンブルがあいまいになってしまうような箇所でも、正確に配列を決定することができます。
PacBioで読んだデータに加え、彼らは読みにくい箇所をカバーしているBACクローンライブラリを作り、PacBioシークエンサーで読んでいます。
Graves-Lindsay氏曰く、「ほとんどのクローンは実際には最終的にリファレンスの中に含まれます。ですのでもしその部位がリファレンスの中できたなくても、最後には読んだ配列で修正できるのです」
ロングリードは、すでにSRGAP2やIGHといった遺伝子の配列をはっきりさせています。
「私たちのゴールは、ゲノム全体のsingle-allelic representationを完成させることです」
これは、あいまいなゲノム構造配列が最小限なリファレンス配列を得ることで可能になるでしょう。


--------------と、ここまで来て翻訳が疲れたので、続きは抜粋、サマリー(笑)-------------

以下は私の文章ですので、本文を見たいひとは英文を参照!


ベストなツールを

いろいろありますがサイズセレクションには今のところBlue Pippinですね。
アセンブリにはHGAPとPB-Jelly
構造変異によってアセンブリエラーが起こった場所を検出するPB-Honey
Diploidアセンブリには、FALCONベータ版
この辺は今までと変わりません。

HGAPというのは最初のエラー補正でBLASRを使います。
これがとてつもなく計算資源を消費する。
National Biodefense Analysis and Countermeasures CenterのAdam Phillippy氏のチームは、これに変わるツールを開発しました。
BLASRを使ったHGAPは、ハエゲノムの場合、全体としてのアセンブリは成功するのですが、600,000 CPU Hoursという、HGAP全体の90%の時間を占有していました。
そこで彼らが試したのは、1990年代に開発された、AltaVista検索エンジンに使われているアルゴリズム。
その名もMHAP
計算時間は600,000 CPU Hoursから、1,000 CPU Hoursに短縮され、ハエゲノムサイズならアマゾンクラウドで実行してもわずか300ドル程度で可能だそうです。
バクテリア程度のゲノムならデスクトップPCでもできるとか!
これが本当ならすごいことですね。
でもしばらくは、アルゴリズムの改善、いろんな研究者による精度の検証が行われるでしょう。

MHAPについてはトレースしています。


それでは、また







2014年5月29日木曜日

2nd PacBio Asia User Group Meeting in Singapore

皆さん、今年もシンガポールでアジアユーザーミーティングを行いました。
日本人スピーカーは2人。参加ユーザは4人。
全体では80名を超える参加者でした。
ちょうどその前に東京で行った、「PacBio現場の会」と同じくらい。

会場はWaterfrontホテルの会場。ANAの客室乗務員御用達の豪華ホテルです。
そこで2日間、アジアのユーザと、KeyGene、BaylerとMount Sainiからのスピーカーが参加しました。
ユーザミーティングなので、個別の発表はクローズドですからここでは伏せますが、全体的な印象は

  1. 昨年と比べて具体的な結果が多かった(昨年は「これから読むぞ」的な発表が多かった)
  2. 数百Mbの生物を読んでいる例など、詳細解析結果が待ち遠しい発表もあった
  3. アジアでは導入してまだ間もないところでも、がんがん読んでとりあえず結果を発表する
  4. マレーシア、中国はこれから伸びる予感がします
  5. 受託会社(韓国とオランダ)は一度に百セル超の依頼があるそうです!

ユーザーミーティングの様子 1

ユーザーミーティングの様子 2
このブログを見ている方なら、ご存知ですよね~ このスライド


PB-Jellyの兄弟ツール、PB Honeyについては、どうでしょう、Pacリードのクオリティを考慮しながら変異を検出するということらしいですが、発表を聞いただけでは十分理解できませんでした。 少し英語の集中力が薄れてきたところだったから、余計に。
ウェブサイトにはもうあるそうですから、調べてみます。

今年はこれからもどんどん、PacBioを使った結果の論文が出てくる気がします。
注目は、バクテリアメチローム、大型真核生物ゲノム、ヒトゲノム、HLA、そしてIso-Seq

益々エキサイティングな分野になるでしょう。
このユーザミーティングも大成功でした。
参加した皆さん、有意義だったと言っていました。

シンガポールは毎日、日中は30度近い気温で、少し早めの夏バテを経験。
そんな中、このユーザミーティングの翌日、Steve Turner氏のコンドミニアムにて、BBQパーティがありました。
夕方は風が涼しく、とても過ごしやすい。
BBQには、Steveの家族はもちろん、PacBio Asiaオフィスの社員とその家族、近所の家族や知り合いなど、たくさん集まり大賑わい。 こんな出会いも大事にしたいですね。

ついでに言うと、シンガポールのコンドミニアムでも、民間の住宅価格は、日本で想像するより遥かに高いです。 豪邸です。
BBQ広場と、大きなプールがついていました。
ちょっと、日本の感覚ではこんな住宅は作れないですよ。
でも、一度くらいは住んでみたい、そんな風に思わせる国、それがシンガポールです。



2014年5月21日水曜日

PAG Asia 2014

PAG (Plant and Animal Genome) Asia 2014 (http://intlpagasia.org/2014/) がここシンガポールで開催されています。
シンガポールは、わかっていたけど、暑い!!!
湿度が半端無いです。
会場はGRAND COPTHORNE WATERFRONT HOTELというところで、ちょっとわかりづらい3Fに、展示ブースとポスター会場、そしてセッション会場があります。

私はPacBioのT-shirtを着て展示員の手伝いをしていますが、正直、このMeetingは国際学会にしては小さいですね。
200人かそれくらいでしょうか。
ランチタイムに全員が出てきて、展示ブースの前に並んだビュッフェ形式の食事を取るのですが、その数を見ても200人もいないかなあ、という感じ。

ま、それだけ密度の高い学会といえばそうですが。

本日、PacBioのワークショップセミナーがありました。
まずは、Dr. Steve TurnerによるこれまでのPacBioの概略と今年も目玉論文の紹介

続いて、Temasek Life Sciences LaboratoryのDr. Shubha Vij,による、700Mb程度のデノボアセンブリ
これは700Mbですが、Medium sizeゲノムと呼んでいました。 Asian Seabass(ブラックバスみたいな魚)のゲノムアセンブリです。
イルミナHiSeqで80x、Sangerで1x読んでもつながらないところはいくら読んでもつながらない。
そこでPacBioの登場なわけです。 
最初は11セル読んで(当時のケミストリーで)平均Read長が2kbでボツ、その次は4kb出たので77セル読んでショートリードとHybrid Assembly、まあまあ使える。
ショートだけでアセンブリしたContigを、EC Toolを使用しPacBioリードをエラー補正したり、最後は20kbライブラリを作製しP5C3で100セルも読んで、平均8kbのリードでゲノムの60xのデータを出力!
これでHGAPアセンブルし、Contig数が5000、N50 が1Mb という結果を出したそうです。
すごい努力と根気、そして予算!
あっぱれでした。

そのあとは我らが友人、Mount SainiのDr. Robert Sebra
先週の金曜、東京でも話してくれた内容です。 ヒトのシークエンスの話でしたので、PAGにはちょっと客層が違うかなーと思っていましたが、心配ご無用。
Robertの話の内容については、別のドキュメントにまとめていますので、出来次第紹介します。
マーケティングの材料に使わせて頂きました。ありがとうBobby!

最後はBaylor College of Medicineの Dr. Kim Worley
さすが天下のBaylorだけあって、年間何と4,000セルをランしているとのこと!
対象生物はバクテリアから真核生物、昆虫、哺乳類、霊長類、とにかくいろんな生物を読んでいます。
彼らの開発したツールといえば、PB Jelly
PacBioのロングリードを使って、ScaffoldのNNNNを埋める、Gap Fillingツールです。
後に、Scaffoldそのものを行う、PB Jelly 2が作られたのは記憶に新しいところ。
ちなみに、PB Jelly2には、やはり最低10x程度のPacBioデータが必要らしいです。
推定ゲノムサイズ300Mbなら、10倍の3Gbのロングリードは必要ということです。
今なら、P5C3で10セルも読めばこれくらいはいきます。
また、できたScaffoldに対してもう一度同じデータを使って再度Scaffoldを作って(これをIterationと言う)いました。 これを2、3回は行っていました。

次回作は、Structural Variation Identification and Assembly QC を行う、PB Honey
ネーミングが良いですね。
PB Honeyについては、さらっと触れた程度ですが、木曜・金曜の、PacBio User Group Meetingで話してくれるそうです。 楽しみ!





2014年5月20日火曜日

皆様ありがとうございました!

今年上半期最大のイベント(私の中では最大のイベント)、「PacBio現場の会」が無事終了しました。
参加者は全体で80名を超えました。


企画したのが3月上旬。 2ヶ月間で良くここまで準備できたなあ、と。
でも何といっても、スピーカーの皆さんがとても協力的で、すぐに決まったというのが良かったです。
会場押さえが結構難儀でした。こういう100人くらいの会場は、結構前から予約で埋まってしまうものですね。
秋葉原UDX、実は3月下旬にキャンセルが出たので決まったんです。
それまでは日本橋のちょっと歩くところの会場でした。
ま、UDXは良い会場ですから、キャンセルが出たとの電話頂いたとき即決でした。


参加された皆様、実は皆様こそが今回の主役でした。
(写真、小さくてすみません。大体の雰囲気が伝わればと。
参加者には、大きいサイズのファイル差し上げます)

PacBioについて、またはトミーデジタルについて、どんな印象を持たれたでしょうか?
企業セミナーらしからぬ、クイズとか、記念写真とか、いかがでしたか?
「現場の会」という名前を付けたのも、皆さんに楽しんでもらい、かつ記憶に残ってもらう、そんな会にしたかったからです。

アンケートの結果、ほとんどの方が「たいへん満足」とお答え頂きました。

ショートリードの情報はもう溢れんばかりに氾濫してますが、PacBioの情報はまだまだ限られている。 何より論文がまだ少ないですし、使い方が特殊。
特殊というか、個性があるんですね。
超長く読める、そんなに多くのリードは出てこない、一本あたりの精度は悪いが集まるとどのシークエンサーよりも良い などなど。

今回お話頂いた演者の方々は、みなさんとても魅力的でエネルギッシュに満ちたお話でした。
きっとPacBioがとても好きなのです。
データを見るまではこの感動は得られないのでしょうが、実際に読んでそのロングリードを得た瞬間、「これでゲノム決まる!」という実感を得るのでしょう。
ゲノムが完全に決まるまではいかなくても、やってる研究がだいぶ進む!
ライバルに差を付けられる!
ってね。


というわけで、お金が無いから、装置買えないから、PacBioあきらめる、なんてもったいない!!
共同研究、受託会社に頼む、という手段があります。
そのときはやっぱり、日本国内で実験するところを選びましょう!
国内なら、私たちもサポートできるので。



それともうひとつ大事なことをお知らせします!

以前、P5C3という新酵素の話をしたとき、これはScaffold用であってアセンブルには向かない、と申しました。
当時はPacBio本社でもその考えでした。

が、

いろいろ経験を積んだ今は、「P5C3をデノボアセンブリに使っても意外といけるじゃん」 ということで、P5C3は事実上のデフォルトスタンダードになりました。
今回の現場の会でも沖縄綜研の中野さんが発表してました。

ちょうど同じ日に、PacBio本社から連絡があり、P5C3は、マイナーバリアント検出以外の全てのアプリケーションに応用可能、ということになりました。
条件として、2次解析ソフトSMRT Analysisが最新の2.2になっていることが必要です。
精度が若干、P4C2に対して落ちるのは確かですが、それでもバクテリアアセンブリの結果はP4C2と比べて全く遜色ありません。
カバレッジを45くらい稼げばQV50に達したので、精度は問題にならない、と本社は言っていました。
長さを生かせるので、大型ゲノムに対しても利点の方が大きいと思います。

そうなると、これからのPacBioシークエンスはほとんどがP5C3、平均8kb、9kbは当たり前、になってきますね。