こういう時は何かニュースがあったのでとりあえず本社のサイトやSNSをチェック!
アメリカ時間で8月2日に第二四半期の発表がありました。
CEO自らが投資家向けにプレゼンする場で、これは録音されて、翌日には誰でも聞くことができます。 一応、視聴するには登録が必要
数字については、私はその辺(アメリカ企業の経営に関する数字)は詳しく無いので評価できません。
でも、悲観的か楽観的かというと、明らかに楽観的な見通しでした。
このプレゼン時間の半分以上が投資家からの質疑応答になるのですが、厳しくは無かったです。
で、良いニュース(これが今回の株価14%UPにつながっているかは不明)はこちらです。
- 装置の売り上げは顧客のバジェットタイミングによるので不安定だが、試薬売り上げはSequel台数が増えるにしたがって着実に増えている
- 中国のNovogeneがSequelを10台追加で注文(これで20台購入!)するなど、中国の売り上げが堅調
- Sequelの新ソフトウェア version 5 のアップデートが始まり、テストデータはとても良い
全世界でRSIIとSequelを合わせると、現在300台以上が導入されています。
この数字は5月のものなので、最新ではもっと行っているはず。
装置が増えればそれに伴い試薬の購入も増えるわけですが、この傾向はシークエンスラボで顕著だそうです。
どういうことかというと、一般のアカデミアは、プロジェクト単位でシークエンスが行われるので、プロジェクトが終わると一息つくことが多いですね。
日本以外でもこれは同じで、プロジェクトごとに予算が付く。そうすると、それが終わったとたんにシークエンスしなくなる。
ところが、営利企業やシークエンスコアラボでは、ひとつのプロジェクトに左右されないので通年シークエンスされるとのこと。
日本でもまあ、そんな感じでしょうか。年度末は忙しい、というバラつきは多少あるでしょうが。
中国のNovogeneという会社、これは世界最大のシークエンスラボのひとつです。
ここ2年くらいで、PacBioの最大の顧客になりました。
Sequelを10台保有し、さらにこの度もう10台の購入を決定! 世界一、Sequelを保有する機関になりました。
彼らがなんでこんなに(20台も)Sequelを買ったのかというと、ロングリードに積極的に投資しているからです。ちなみにここには政府系の投資会社もお金を出しているそうです。
Novogeneでは、中国人ゲノムを1000人分読み、構造変異を解析し、世界初の構造変異データベースを完成させる、という壮大な計画があります。
ここに、Sequelが使われるのです。
さらに、Novogeneはシークエンス受託解析企業なので、世界中から顧客を集め、世界一のシークエンス受託会社になることを目指しています。
そんなこんなで今、PacBioのRevenueの25%は中国から得ているそうです。
中国だけでなく、世界の営利企業は積極的にSequelに投資する傾向にあるそうです。
HistogeneticsというアメリカのHLAタイピング企業は、ショートリード数十台に加えてRSIIが動いています。もちろんSequelも。
これは、HLA遺伝子の完全シークエンス(ショートリードでどうしても型が判定できないような難しいローカスのシークエンス)のためにPacBioのロングリードが絶対必要だ!ということで、アグレッシブにRSII、Sequelが使われているそうです。
これらの発表がもしかすると、昨日の株価14%アップに影響したのかな?
PacBioは、先月Sequel用に、これは解析ソフトと装置のソフトの両方で新しいソフトウェアをリリースしました。
昨日のCEOのプレゼンでは、このソフトが順調に動いていて、ある顧客では平均リード長33kb、またある顧客では1セルあたりの出力が15Gbに達したと言っていました。
まあ、これは極端な例でしょう。
実際は、良くて平均12kb、N50 で20kb、塩基出力も良くて10Gb くらいかな、という感じです。
でも2017年の末には、わかりませんよ。
CEOははっきり言っていました。
2018年末までには、今の8倍のウェルを持ったセルが登場し、新試薬などで今よりスループットが30倍Upすると。
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