成田からシカゴへ行く飛行機の中、偶然にも隣に座ったひとが、このブログを学生時代から読んでました、というかたでビックリ!
こんなこともあるんだな~、と思いましたね。
いまさら学会報告もあれですが、PacBioのワークショップのビデオ、ポスター、プレゼンテーションが昨日ウェブに公開されたのでお知らせします。
PacBioは今年のASHGで、構造変異解析を前面に持っていきました。
構造変異というのはいわゆるSNV解析よりも大きな、数百塩基やそれ以上の、挿入・欠損・Inversionなどの変異です。
また、リピート配列というのも疾患に関連する変異のひとつです。
ASHGの展示会場にて、CoLabというコーナーがあり、そこで企業がセッションをしていました。分生なんかでも良く見る、あれです。
ここでも紹介されているCRISPR/Cas9 Targeting、これはCas9を応用した増幅無しのターゲットエンリッチメントです。
上のウェブページはこちら
なぜ増幅無しのターゲットエンリッチメントが注目されているかというと、増幅できない配列をエンリッチできるからです。
は、はい。
という声が聞こえてきそうですが、例えばハンチントン病やある精神神経疾患などでは、CGGやCAGといった3塩基が何十回、何百回も繰り返して、その繰り返しの量で病状が変わることが知られています。
CGGのリピートだと、CGGCGGCGGCGGCGGCGGCGG・・・になるのでもちろんPCRがかからない。
このような配列をエンリッチするには、増幅を介するハイブリベースでは難しい。そこでCas9エンリッチの登場!
ゲノム配列を制限酵素を使って切り、スマートベルを作製し、ベルの中のターゲットとする配列をCas9で切断、切断されたライブラリには第二ヘアピンアダプターをつける。
第二ヘアピンアダプターはほかのペアピンアダプターとは配列が違い、その配列のついたスマートベルだけをビーズで回収する。
文章に書くとこんな感じです。
スライドはこちらにありますので興味ある方はどうぞ。
Cas9エンリッチメントを行うと
- PCRバイアスやエラーを防ぐことができる
- 一塩基レベルの精度でリピート配列全体をカバーできる
- リピート配列の数を計測できる
- 違う配列がリピート配列の中に混じっている場合もそれを検出できる
- リピート配列の体細胞モザイシズムも見ることができる
こちらCas9エンリッチメントは先日論文が公開されました
このCas9エンリッチメントですが、正式プロトコルは来年早々リリースされる予定です。
こうご期待!
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