2017年1月27日金曜日

PAG報告 パート6 DovetailやNRGeneなど(その2)

前回、NRGeneの話ができなかったので、本日はそれ。
この会社は、イスラエルにあります。
ラボは無く、解析だけを行うドライのスペシャリストの会社です。

彼らのサービスはゲノムアセンブリ。その名も、DeNovoMAGIC
お客さんはアメリカにあるNRGene提携先サービスプロバイダーに、サンプル(組織とか)を送ります。
アメリカでシークエンスをして、データが出たらイスラエルのNRGene社がこれを解析します。

前回紹介したDovetail 社はシカゴライブラリとかHi-Cとか、すごく長い距離をカバーするライブラリ(シカゴの場合は100kb, 200kb それ以上、Hi-Cの場合はMb単位)を作るのに対し、NRGene は他社のライブラリー技術をうまく組み合わせます。
例えば、数種類のペアエンド、数種類(3,000~9,000bp)のメイトペア、そして10X Genomicsの Linked-read,これらをそれぞれゲノムサイズの数十カバレッジかそれ以上読みます。
そしてNRGene独自の解析技術でアセンブルを行ないます。

これは私の主観ですが、DovetailのChicagoやHi-Cは、スキャフォルドをできるだけ長く作るのに優れていて、NRGeneは長さよりもハプロタイプごとのフェージングにより力を入れている気がしました。
あくまで私がPAGでそれぞれの結果の発表を聞いた限りの印象です。

どちらの会社も、「自分たちのほうが精度が高い。アセンブリ結果は良い」と言うので、メーカーの話を鵜呑みにはせずに、ユーザの声を聞いたほうが良いですよね。

但し、Dovetailの技術が論文でも公開されているのに対し、NRGeneのアセンブリ技術はブラックボックスです。
ここを気にするお客さんはいるかもしれません。

PAGではどちらの会社のひとたちとも会って話したり食事もしましたが、どちらも感じ良い雰囲気でした。皆さん楽しんで仕事しているんでしょうね。
社員さんはカリフォルニア(Dovetail)とイスラエル(NRGene)の国民性がはっきり出ていましたよ。

そんなNRGeneですが、日本では代理店がまもなく決まります。
ですのでその会社のビジネスの邪魔にならないよう、これ以上はブログでは控えます。


でも私は断然、Dovetail 押し!
価格もDovetail の方が安いですよ。
Dovetailの方が、アセンブリの経験も多いし、これまで行なった生物種の数も多いし、実験から解析の方法が論文で公開されているし。そういったところが評価されると思います。
PacBioとも相性いいですからね。

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