もうアナウンスされましたが、PacBioのJPMネタは、「Sequelの試薬・ケミストリー・ソフトウェアのバージョンアップによってスループットがすごくUP!」です。
カタログもそれにあわせて改訂されました。ここからダウンロードできます。
6ページ目に注目!
これが今のSequelのスループットだ!!
これはあくまでゲノムアセンブリ用の長ーいライブラリ(例えば60kbとか)を読んだ場合です。サイズセレクションは30kbでしています(つまりライブラリは30kb以上の長さ)。
これを2.0ケミストリーで10時間(!)読んでいます。
セルあたりの出力リード数は365,000本で、うち半分のリードの長さは20kb以上。
この図では出力塩基数が 7.5 Gbです。バラツキはありますが5Gb ~8Gbというところでしょうか。
試薬のバージョンが2.0とか、ソフトウェアのバージョンが4.0とか、実際使っているユーザ以外にはどうでもいい数字だと思いますが、重要な点は、
- 少ない量のライブラリからシークエンスできるようになった
- 長ーいライブラリもローディングできるようになった
- ラン時間が最大10時間までできるようになった
- ベールコールアルゴリズムが改善された (精度がUp)
- 短いライブラリでのシークエンス結果が改善された
という感じです。
ゲノムアセンブリにはできるだけ長ーいライブラリを作ることが重要です。
一方、構造解析などでは30kbとか40kbとかの長いものを作る必要はなく(もちろん目的によりますが)、10kb程度のライブラリでも十分解析できるのでは?というのが今のところのPacBio社内で一致した意見です。
ヒトゲノムのほとんどの構造変異は、Segmental Duplicationなどを除けば、だいたいは10kb程度に収まるのでは無いか?
もちろんお金とサンプルが潤沢にあれば、長いライブラリを作って読んだほうが、より多くのゲノム構造解析を検出できるでしょう。
でも現実的には、コストと検出感度・精度はトレードオフの関係にあります。
検体数にもよりますしね。
リードが長くなったおかげで、検出できる構造変異の数で見ると、新試薬の方が従来試薬の半分のコストで解析できるそうです。
コスト表を改訂しなきゃ。
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