通称「ダボス会議」。最終日にはアメリカのトランプ大統領がスピーチし、「アメリカファーストはアメリカ孤立主義では無い」と述べたそうです。外では反トランプデモをやっていたそうな。
正直ダボス会議って、主要各国の首相や大統領、官僚や経済界トップなどが集まって、なんか世界のためにどうするか話し合う場、のような漠然としたイメージしかありません。
「国連総会」よりもまとまりがあるような、「G20」よりも守備範囲が広いような、そんなイメージしかないなぁ。
日本であまり報道されないのも、今年は安倍総理が出席しなかったからかな?
G7の首脳で今回出席しなかったのは安倍さんだけだったらしい・・・。
日本での報道があまり無いならググるしかないわけですが、ダボス会議の精神は、「世界の多様性を重んじて、社会をより良くするための、マルチステークホルダーになる」ことらしいです。
何だか漠然としたテーマですね。簡単にいうと「世界にはいろんな価値観のある国や民族、宗教があるけれど、お互いを認め合って、これまでのような戦争をせずに、地球の限られた資源をみんなで仲良く使いましょう!」っていうのを確認し合う会議らしい。
経済フォーラムというだけあって、産業やビジネスと密接に関連する環境汚染や資源の枯渇問題、地球温暖化、脱炭素社会などへの取り組み、なども話し合われたみたいです。
これは私がググって探したわけではないのですが、ダボス会議ではゲノムプロジェクトの話題もあったそうな。
ダボス会議のウェブサイトより |
UC デービスのウェブサイトより |
地球上に存在する植物・動物から昆虫、単細胞生物まですべての真核生物種の推定数は1,500万(この数字には色々説があるようですが)。
そのうち150万種程度が分類学的に知られていて、うち15,000種のゲノムが読まれているらしい。つまり我々はほんのわずかの生物しかゲノムシークエンスしていない。
もちろん皆さんならゲノムが「読まれた」というのと、ゲノム配列が「わかった」というのが全然別次元の話なのは、言わずもがなですよね。(この辺はマスコミに報道されるときにごっちゃにされるんですよね)
地球上のすべての種のゲノムを読むという「Earth BioGenome Project(EBP)」は、スケールがでかすぎるのか、実現するには10年と47億ドルかかるらしい・・・。
かつて、ヒトゲノム解読プロジェクトが国際チーム V.S. 1企業(セレラ・ジェノミクス社)で競い合いながら、ほぼ同時に完了を発表しました。
その時、ヒトの遺伝子配列が特許になりうるか?という問題が話題になりました。
ヒトゲノムを読むことがビジネスになるかも、という期待があったのです。
今、生命の宝箱と言われるアマゾンで、様々な生物のゲノムを読んで、農業への応用や新薬のシーズ探しをしようという野心的なプロジェクトが進んでいます。
ブラジルに住むペルー人の起業家、Juan Carlos Castilla-Rubio氏は、今なら数多くの種のゲノム配列を決めることも昔ほど難しくないと知っているのでしょう。ゲノムを知ることでそこから生まれるビジネスの匂いを嗅ぎ分けているのかもしれません。
同じようなゲノムプロジェクトはG10KやB10K、確か植物系でも昆虫系でも似たようなものがあります。あえて今からプロジェクトを立ち上げる必要があるのかな、って思ったりしますが。
数十万円~数百万円あれば、生物一種のゲノムは決まる時代。
結局、いろんな人がそれぞれ好きな生物のゲノムを読んで、データをぜーんぶ集めたら知らないうちに地球上の生物全てを読んでいました! 的なオチになるんじゃないかな?